岡崎GMより ここまでの振り返りとシーズン中盤以降の方針について
いつも広島ドラゴンフライズへのご支援・ご声援をいただきまして、ありがとうございます。
開幕から3ヶ月が経ち、中村拓人選手や三谷桂司朗選手の加入やジャスティン・バルタザール選手の契約解除などチームに動きがありました。
①ここまでの振り返り②帰化、アジア特別枠選手③大学生の3つに分けて私から説明をさせていただきます。
①ここまでの振り返りについて
まず開幕から、16勝5敗で西地区2位という順位については、総力戦を粘り強く勝ち取り、なんとかここまで勝ち星を積み重ねてくることができていると感じております。
開幕戦ではドウェイン・エバンス選手がコンディション不良で欠場、エバンス選手が復帰したと思えばニック・メイヨ選手が足首捻挫で離脱などと、開幕当初からチームの柱となるような選手の欠場が続きました。その際には短期間契約でギャレット・スタツ選手が加わり、既存の選手たちが奮起することでクロスゲームを勝ちとるなど、チームの厚みを見せることができました。ここまで勝ち星が先行しておりますが、上位進出を狙う上では負けられない相手にも敗戦するといったゲームもあります。安定した力を発揮し、ブースターの皆様が誇れるチームを目指して努力を続けてまいります。
また、クラブとして優勝を目指し、想定されうる不測の事態に備えながら、シーズン中盤から後半にかけてさらにチーム力の向上に期待したいと思います。
②帰化、アジア特別枠選手について
先日リリースがありましたバルタザール選手の契約解除については、応援をしていただいている皆様の期待を裏切るような状況となってしまいました。彼の良さをチームに還元することができなかったことは、活躍を想定して招集した私の責任と考えており、深く反省をしております。
帰化、アジア特別枠選手の獲得は優勝に向けて非常に重要なピースになると考えておりましたので、昨シーズンより世界中から常に情報を収集し、今シーズン中にも日々リスト更新を進めておりました。
現時点で、バルタザール選手の代わりとなる新たな選手との契約合意にいたっておりますことを皆様にご報告いたします。契約の関係から、すぐに皆様にお伝えすることが難しい状況ですので、後日発表をさせていただきます。加入予定の選手はビッグマンです。初めてのアジア特別枠加入の経験を活かして、今シーズンの既存選手や戦術に対してベストな人材を獲得できたと考えております。彼の加入により、今まで以上にリバウンドとディフェンスの質は向上し、シーズン前に想定した理想的なチームに近づいていくことと確信をしております。
③大学生の加入について
途中加入の大学生の2人についてですが、非常に有望な若手選手がチームに加わることとなり、嬉しく思っています。中村選手は昨シーズンも広島で活動したうえ、三谷選手は待望の広島出身選手ということで、多くのブースターの皆様が心待ちにしていたと思います。
中村選手は昨シーズンよりもアジリティ能力やスコアリングの能力を向上してチームに合流となりました。プロ選手としてデビュー戦のアウェイレバンガ北海道戦では早速得点を記録するなど、シーズン中盤から後半に向けて更なる活躍に期待をしています。
三谷選手は大学のチームで核となるだけでなく、3x3日本代表でも活躍した伸び代の大きな選手です。アスレティックなプレーと、得点力の高さが魅力であり、今後の日本を代表するような選手に育っていくと信じております。また、広島の新たな顔として、クラブにとっては待望の地元選手ですので、活躍に期待をしています。
シーズン途中ではありますが、彼ら2人がチーム内の競争をさらに激化させ、チームの層をより厚くすることができると考えています。さらに今シーズンよりドラフラベースが完成し、今まで以上にワークアウトやトレーニングに打ち込める環境を整備することができております。こういった環境面の充実は、多くの若手選手にとって魅力的なものになっていると思いますし、実際に練習に励むことで、成長を加速させるものと考えております。設備だけでなく、文化や哲学をチームに浸透させ、ハード面とソフト面の両面において育成の広島と言われるよう尽力してまいります。
最後になりますが、新B1リーグに向けての今シーズンの位置付けと覚悟についてお伝えさせていただきます。
まず、クラブとしては今シーズンについて、危機感を持った中での「勝負のシーズン」と捉えております。その最大の理由として、今シーズンが2026年から始まる予定の新B1リーグの審査期間となるということがあります。「平均来場者数4000名以上」「売上高12億円以上」「新基準のアリーナの整備」これら3つの厳しい条件を今シーズンと来シーズンで達成しなければなりません。
広島は「売上高12億円以上」の項目は達成しているものの、「平均来場者数4000名以上」と「新基準のアリーナの整備」の2つの基準は未達となっています。クラブのフロントスタッフたちを中心に、勝敗に関わらないエンターテインメントを追求しておりますが、私はこの2つの基準を達成するためにはチームの強さが大きな起爆剤になると考えております。言い換えると、チームの勝利やリーグ優勝といった結果は直接的には新B1リーグ参入への審査基準とはなりませんが、間接的には大きな要因になると捉えています。
勝利を重ね、広島ドラゴンフライズが強いバスケットボールクラブとして話題となることは、日本で一番スポーツに関心のあると言われる広島県民の皆様を中心に、大きなムーブメントを起こすことができると考えています。もちろん、勝利することだけで全てが成功につながることはありませんが、そのムーブメントを活用し、新B1基準のアリーナの整備にもつなげるだけでなく、来場者数も増加させ、多くのブースターの皆様に感動を届けることのできるよう、クラブ一体となって努力を重ねてまいります。「勝利」や「優勝」というのは、口にするのは簡単ですが、実現することは難しく、歴史の浅い我々にとって想像がわかないものかもしれません。
実際に日本一を目指す中では、今まで以上に多くの困難に直面すると思います。それでも、応援してくださる全ての方々の期待を背負い、また、「決してあきらめることなく、粘り強く戦い続ける」ことでB1のトップクラブへと駆け上がり、新B1リーグへの参戦も実現してまいります。B2からのB1リーグ参戦や、B1最下位などで苦しんだ数年前から考えると、今まで見えなかった景色が見えつつあります。行政をはじめ、メディア、スポンサー、ブースターや地域の皆様の支えにより着実にトップクラブへ近づいてきている事を実感していますが、より高い「頂」を見据え、今まで以上のご支援・ご声援のほどよろしくお願いいたします。
広島ドラゴンフライズ ゼネラルマネージャー 岡崎 修司