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#3 辻直人選手 新入団記者会見コメント

2021年8月10日に広島ドラゴンフライズ クラブオフィスにて#3 辻直人選手の新入団記者会見を実施いたしました。

■登壇者
岡崎 修司(ゼネラルマネージャー)
#3 辻 直人(新入団選手)

■広島ドラゴンフライズ ゼネラルマネージャー 岡崎修司より ごあいさつ

本日はお集まりいただき、ありがとうございます。
日本を代表する選手、辻直人選手を迎え入れることができ、非常にうれしく感じております。強豪クラブに成長するために、本当に必要な選手だと思っておりますので、これからに期待しております。
獲得の経緯についてはのちほどお話しさせていただきます。
よろしくお願いいたします。

■辻直人選手より ごあいさつ


川崎ブレイブサンダースから移籍してきました、辻直人です。
覚悟をもってこの広島ドラゴンフライズに入団してきましたので、今シーズン、よろしくお願いいたします。

■岡崎GMより獲得の経緯説明


昨季の振り返りをした際に、全体勘として様々な経験が不足していると感じました。そういった中で、日本代表経験のあるトップレベルの選手が必要だと考えており、辻選手に声をかけさせていただきました。
辻選手を獲得しようと思った理由についてですが、様々ある中で、本日は大きく3つに分けてお伝えしたいと思います。一つ目は、当たり前なんですが、シューターとしての得点力。二つ目が、オフェンスでチャンスを作り出す能力、三つ目が、チームのロールモデルとしての役割への期待です。この3点を評価して、獲得に至りました。

それぞれについて、詳細をご説明いたします。
まずはシューターとしての得点力ですが、これは皆さんもご存じの通り、非常に速いシュートモーションから高確率のシュート、スリーポイントを持つ得点力のある選手です。
我々は昨季、このポジション(シューティングガード)で特定の選手に得点やプレータイムの偏りがあり、アウトサイドでの得点が伸び悩む時期がありました。シューティングガード(SG)の厚みがという意味では今季期待できると思っていますし、日本を代表する選手ですので、我々の武器として大きな期待をしております。

二つ目の、オフェンスのクリエイト能力です。
これに関しては、これだけのシュート力をもちながら、ボールを持った状態でオフェンスを作り出していける能力を持った選手は、Bリーグを探しても、なかなかいません。我々の評価としては特別な選手だと思っております。今季、広島の攻撃は、オンボール、ボールを持った状態でチャンスを作り出す場面、反面、オフボールといってボールを持っていない状態でチャンスを作り出す場面も非常に多くなってくるのでは、攻撃の幅が広がっていくのではと期待しています。チームには様々な能力を持った選手が集まっていますので、お互いの良さが生きだす、きっかけを作り出すこともできると期待しております。

三つ目の、ロールモデル(お手本)としての役割、という点です。
辻選手がルーキーシーズンに加入した川崎(当時・東芝)は当時はリーグで苦しい時期、最下位に沈むなど苦しい時期があったのですが、その後、今のような強豪クラブ、Bリーグの王者を争うクラブに育っていきました。その文化の作り方、共通意識の持ち方、チームの変遷を見てきた経験が(辻選手には)ありますので、その経験をこの広島の地で還元してくれると期待していますし、川崎で時間がかかったことが、広島では短期間で達成できる可能性があるんじゃないかと、我々は非常に評価させていただいたところです。

またこれは、個人的な意見になるのですが、今季の編成に向け、様々な選手と面談をさせていただいたんですが、辻選手に関しては、これほどトップ選手でありながら、これほどの向上心を持った選手もなかなかいないという印象があります。「(自身のことを)まだまだ上手くなれる」と信じていますし、言葉だけでなく練習でもそれを体現しているところがあります。
まだまだ辻選手は個人としても成長していく可能性を感じていますし、またその姿勢が(今季の広島に多い)若手の選手たちにもいい影響を与えていく、それがチームの文化になっていく、そのような流れができていくことを期待していて、重要な要素であると考えています。

バスケットボールからは外れますが、我々のような地域クラブにおける存在意義は社会貢献、地域貢献が大きな役割で、そのために存在しているんですが、辻選手は川崎時代から「3ピース」という社会貢献活動を行っています。自身のスリーポイントの本数によって病院や児童養護施設に寄付するという活動です。広島でも同じ活動をするのかはわからないですが、そういった面の活動もサポートして、地域クラブとしての役割を果たしていきたいと考えておりますし、それがアスリートのあるべき姿だと思っています。アスリートのロールモデルとしての役割も期待しています。

最後に、これは本人からもありましたが、覚悟を持って広島に来てくれていると思います。広島という地の可能性ですとか、クラブとしての中長期的なビジョン、今季の編成、意気込みを含めて「広島で」と決断してくれたと思っています。その意味では、クラブとして結果をしっかり追求していきたいと思いますし、それに伴って短期的な結果と、中期的にしっかりと広島にバスケットボールを根付かせていきたい、盛り上げていきたいと思いますし、新たな広島の顔となる選手としての活躍と、リーダーシップにも期待しています。

■質疑応答①ゼネラルマネージャー 岡崎修司

―交渉の中で、辻選手へはどうアプローチしましたか。熱意や、ロジックなどいろいろあったと思います。
岡崎 あまり(交渉の)テクニック的なことは考えていなくて、本当にクラブの現状と中長期的なビジョンをお伝えさせていただいて、今季に賭ける我々の思いを包み隠さずお話しした、というのが正直なところです。というのも、何か隠しごとをしても、中長期的には我々の本気度は分かってくるといいますか。いま(我々が)できることとできないことをしっかり明確にしてお伝えすることがすべてだと思っていましたので、ちょっと論理的ではないんですけども、「我々が本当に今季、結果を出していきたいんだ」ということと、「今季だけではなく、(数年後の)新B1も見据えて考えている」としっかりお伝えしました。

―「ここが刺さったかな」という瞬間はありましたか。
岡崎 あくまで私の感覚なんですけども、交渉の中で、辻選手自身の「向上していきたい」という思いが強かったんです。それを我々としてもかなえてあげたいと思いましたし、川崎という環境を変えることで、広島という地に来て、(周りの)選手も大きく変わって、個人としてもチャレンジになると思うんですけど、(辻選手の)チャレンジスピリットといいますか、やりがいといいますか、そういった(ことを感じてもらった)ところはよかったのかなと思います。

―この移籍のインパクトがチームに与える影響は。
岡崎 まだ1回しか練習に参加してなくて、今日が2回目なんですけども、辻選手は単純なワークアウトであっても「基準」を上げてくれる存在だと思っています。自身のパフォーマンスでチームの結果が変わる、というのはもちろんなんですが、周りの(選手の)基準が上がってくると思います。ディフェンスがいないメニューでも、例えばスピードの乗った状態で判断をひとつ入れたりだとか、シュートの確率ももちろんそうですけど、一つひとつの基準というのが、日本トップレベルに上がっていくので、そういった面では非常に期待しているところです。

―辻選手に、加入初年度のシーズンに求めたい「数字」と「数字にならないもの」は。
岡崎 あまり数字にはこだわっていないのがクラブとしての本音です。チームの勝利が一番であるというところで。その中でもただ、得点とアシストのところは今季、伸びる可能性があるのかなと思っていますので、チームの勝利の上で、その数字が増えるのはいいことだと思っていますし、期待しているところです。
数字にならないものは、先ほども申し上げたほかの選手へのいい影響もそうですし、攻撃を作り出すという意味では、それが直接のアシストにつながらなくても、波及してチームとしての攻撃がうまくいくというケースも非常に多くなると思っています。
あとは、我々には「負けグセ」がついていまして、苦しくなった時にチームの雰囲気を変える動き…ミーティングなのか、声かけなのかは分からないですが、苦しい時を乗り越えようとならなかったり、一つになれなかった時期がありました。そういった時のリーダーシップ、川崎での経験があると思いますので、期待しています。

■質疑応答②辻直人選手


―チームネクタイも似合っていますね。改めて、広島ドラゴンフライズにやってきた今のお気持ちは。
辻 すごく新鮮な気持ちでいますし、(キャリア的には)ベテランの領域ですけども、本当にルーキーシーズンのような気持ちで、今はとてもわくわくしています。

―岡崎GMから評価のお言葉がありましたが、緊張感や使命感はありますか?
辻 先ほども言った通り、覚悟をもってこのチームに来ていますし、やはり自分がこの広島ドラゴンフライズを変えていかなければいけないという風に思っているので、プレッシャーは特に感じていませんし、それが僕の使命だと思っていますので、その使命を今は果たしたいと思っています。


―広島ドラゴンフライズへの移籍の決め手は。
辻 
やはり僕自身、もっと成長したいなっていう思いがありました。その中で川崎は、本当に強いですし、常勝チームになってきて、クラブとしてもすごく力をつけてきて、川崎でのバスケットボールの盛り上がりもすごかったんですけど、その中で、一人のプロ選手として考えた時に「自分はもっとできるんじゃないか」と思ったりとか、もちろんプレーもそうですけど、プレー以外の自分の可能性への期待を持っていたところで、声をかけていただいて。ただ、やっぱりバスケットボールは僕一人では勝てないスポーツなので、(今季の)チームの編成を聞いた時に、僕自身、ステップアップできるんじゃないかという環境、選手がそろっていました。なおかつ、やっぱり移籍すると決めたからには川崎にも勝てるようなチームじゃないと、僕の中で悔しさというか、そういうものが倍増してしまうんじゃないか、というのがありましたので。
そういったところが移籍の決め手でした。

 ―辻選手のアピールポイントは。
辻 岡崎GMからもおっしゃっていただいたんですが、自分のシュート力とチャンスメイクが一番の武器だと思ってます。ただ川崎では、いろんな選手がそういうことができて、自分のいいところがあまり出せなかった時間帯もあったので、広島では思う存分、そういう部分を出して、チームの勝利に貢献したいなと思います。

―今季ドラゴンフライズには、名の通った選手が入りました。どんな印象ですか。
辻 僕個人の意見ですが、「やりがいがあるな」と思います。インサイドがすごく強力で、リバウンドが強い。僕はシューターなので、思い切ってシュートが打てますし、中に切り込んでいった時も、そこに強力なインサイド(の選手)がいるとアシストしやすいし、そこで得点を重ねることで、いろんなバスケットの展開ができるんじゃないか、相手にとって脅威になるバスケットができるんじゃないかなという風には思います。

―この選手とこんな感じで連携して得点したい!というイメージをあげるとしたら。
辻 いや、一人…は難しいですね。いっぱいいるので。でも確かにインサイドが強力ですし、日本人選手も若いし、早い展開に持っていけそうな勢いのある選手ばっかりなんで、そこもすごく楽しみです。外国籍選手のことを考えると、自分のことも生かしてくれつつ、ギブ&テイクじゃないけどこちらも生かしつつで、相乗効果としてやっていけたらと思います。

 ―カイル・ミリングヘッドコーチの会見では、「ディフェンス、ディフェンス、ディフェンス」でした。そのあたり、ディフェンスについての考えは。
辻 やっぱりディフェンスの強いチームがBリーグでも優勝していますし、川崎でも天皇杯に優勝した時はディフェンスで優勝しているので、そこは本当に大事なことだと僕自身も思っています。

 ―交渉の中で心動いたこと、胸を打ったことは。
辻 一番「こう」っていう部分は思いつかないんですが、岡崎さんの熱意も凄かったです。他のチームばかり出して申し訳ないんですが、Bリーグのトップ、東地区に多いですけど、環境面が選手にすごく人気があって、いろんな有望な選手が若手を含めて入っていっている中で、広島はまだ環境面でポテンシャルがありますし、クラブハウスの建設や新アリーナ計画が始まっていく中で、選手が魅力を感じるクラブにならないと、広島ドラゴンフライズは中長期的に強くなるチームになれないと思います。もちろんチームとして結果を出して、ファンから愛されるチームになりつつも、(他クラブの)選手からも、大学にいる有望選手からも、人気の出る環境、成長できる環境、チームが勝てる環境をアピールしていかないとダメだと思うので、その話を聞いた時に魅力を感じましたし、そこに僕が入団することによって、同じように協力させてもらってクラブの魅力を伝えていけたらなと思いました。

―こんなプレーを見せたい、このクラブでこんな風に成長したい、という点は。
辻 見ている人に楽しんでもらえる、っていうのが僕の一番楽しいときなので、スリーポイントだったり、会場が沸くアシストだったり、そういうところを見てほしいですね。
成長したい部分としては…今回、僕は(日本代表の)オリンピックのメンバーに残れなかったんですけど、代表合宿に参加して思ったことは「個の力が高いな」と。実際に見て、練習で対戦して思いました。外国籍選手メインのチームの選手はあまり(メンバーに)残っていなくて、やはりチームでエース、核となってプレーしている選手が残っているし、そうならないと今後の代表も成長できないと思うので、そういったところをプレーで示していきたいと思っています。

―広島の印象は。何か広島のキーワードは出てきますか。
辻 上の子は広島で出産したので、そこでお世話になった…いやいや。ゆめタウン、アルパーク…すみません、まだ住み始めて5日なのでこれからですね。
もちろん、原爆ドームは知ってます。

―ファン・ブースターの皆様へのメッセージをお願いいたします。
辻 (広島は)野球・サッカーが盛り上がっている中で、やはりそれにバスケットもついていって、どんどんどんどん盛り上げていきたいですし、まだバスケットの魅力が伝わり切ってないと思うので、そこはもっとプレーで、コートで表現して、勝つことによって、結果を生み出すことによって、皆さんに興味を持ってもらえると思うので、まずはそこから始めたいと思います。
そこから、気になって、観に来ていただいた時に、バスケットはこれだけ面白いんだっていう魅力を伝えていけたらと思います。
今シーズン、皆さん期待を持っていただいていると思いますので、その期待に応えられるように頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 ―練習に合流して、雰囲気はいかがですか?
辻 まだ日本人選手しかいないんですけど、まあすごく明るい雰囲気だな、というのが第一印象です。僕は川崎でしかやったことがないんですけど、また違った雰囲気で。「それぞれチームとして色があるんだな」と率直に思いました。

 ―「チームを変えたい」というお話がありました。具体的には。
辻 川崎に入団した時も、前年は最下位でした。その時とすごく似ていて、運命的だなと思うんですけど、今の川崎と(広島を)比べると、それぞれの選手が持っている自信だったり、そういった部分が必要かなと思うので、そういうマインドセット(意識づけ)というか、勝ちに対するマインドセットだったり、「勝つチームはこういうチームだ」という姿を見ていますので、そういうところを伝えていけたらと。言葉なのか、僕がそういう姿を見せていくのかはまだ分からないんですけど、そういったところを構築していくことによって、昨季の結果よりも絶対によくなると思いますし、今後、常勝チームになっていくにあたってすごく必要なことだと思うので、そこは変えていきたいと思います。

 Bリーグは経営力を重視する規定に刷新しようとしていますが、このことは選手としてのスタイルに影響を与えるでしょうか?
辻 なかなか難しい質問ですね…。だだ、やはりクラブの収益というのは、ファンやスポンサーの皆さんの力があってのことだと思いますし、支えてもらうにはまずは結果だと思いますので、まずは結果を出して、選手の個性や魅力っていうのを、クラブの協力のもと伝えていけたらどんどんクラブが活性化していって、バスケットが盛り上がっていくんじゃないかと思うので、クラブと選手が一緒になって協力していかないといけないかなと思います。

 チーム、個人としての目標は。
辻 チームの目標…。チームの皆さんと話し合いをしていないので、勝手なことは言えないかもしれないんですけど…。まあでも必ずプレーオフには出ないと。まだそんな「優勝」という風に言えるか分からない状況なので、まずはプレーオフ。たぶん僕たちはすごくダークホース的な存在になるので、他のチームから「やりたくないな」と思われるチームになっていけたらなと思います。
個人の目標としては今までで一番いい成績を残したいなと思います。それが必ずチームの成績につながると思っていますので、そういった目標をもってやりたいなと思います。