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「B.LEAGUE PREMIER」ライセンス交付の発表を受けた会見コメント

 

ごあいさつ

代表取締役社長 浦伸嘉


先ほど発表がありましたが、2026-27シーズンから始まる「B.PREMIER」への参入が決定いたしました。
まず今回、B.PREMIERの参入に向かっては「本当にハードルが高かったな」と振り返ってみて思います。広島県民の方々、そして日本全国のブースターの方々、そしてパートナー企業の方々、後援会の方々、そして広島市、広島県をはじめとする自治体・行政の方々、そしてメディアの皆様、関わる全ての方々、最後になりますけども親会社のNOVAホールディングスのグループの方々、そして広島ドラゴンフライズのスタッフおよびチームの皆さんに、心より感謝を申し上げたいなと思っております。ありがとうございます。

さらには、広島東洋カープさん、サンフレッチェ広島さん、そしてトップス広島さんにも、競技を超えて応援していただきましたし、ありとあらゆる方々が、このB.PREMIER入りにご尽力、サポートしていただいたおかげでこの偉業を達成できたこと、素直に嬉しく感じております。
振り返ってみますと、私がクラブに入る前にB2、B1の振り分けがあった時にはB2スタートということで、険しい道のりからスタートしまして、今9年が経ちましたが、次の新しいステージでトップカテゴリーのB.PREMIERでプレーができることは本当に誇らしいですし、気の引き締まる思いです。

島田(慎二)チェアマンから説明もありましたが「売上高12億円、平均入場者数4,000名、アリーナ基準」という条件の中、売上高はその前のシーズンで達成しておりましたので、我々にとっては来場者4,000名以上とアリーナ要件、この2つが非常にハードルの高い条件でした。来場者4,000名については、ドラゴンフライズのファン・ブースターの方はもちろんのこと、広島県民の方々が「なんとかプレミア入りを達成してもらおう」と協力していただいて、4,618名を達成することができました。

アリーナについては、新アリーナ建設を追求してまいりましたが、コロナ禍など色々なことがあって、なかなか進まない中、「広島サンプラザホールでは(B.PREMIERの)ライセンスが取れない」ということでしたので、急遽、(湯崎英彦)知事をはじめ、広島県の方にご相談させていただいて、広島グリーンアリーナの改修という案でなんとか申請させていただいて、本日、ライセンスを付与いただく運びになりました。我々の力だけでは不可能だったところを、このように皆さんのご尽力とサポートのおかげで獲得できましたので、本当に心より皆様に感謝を申し上げたいなと思っております。皆様、本当にありがとうございました。


質疑応答

―今後に向けて観客数の方策は。
おかげさまで、昨シーズンはチケットのソールドアウト、いわゆる「フルハウス」の状況を作れましたが、今シーズンももちろん目指していく努力をいたします。何よりも、会場にお客様がたくさん入っていることが、選手のパフォーマンスを上げること、投資いただいているパートナー企業様の満足度を上げることに繋がりますし、人が集まるところに、物とお金も集まってくると思っています。Bリーグ全体としても観客数をものすごく重要視しています。地域に根差していない限り観客数は増えていかないと思いますから引き続き、地域の方々から応援される、これを「地域愛着」と呼んでいますが、そのような形になれるように日々また努力し続けたいなと思います。

―新アリーナの見通しと、広島グリーンアリーナの使用期間については。
2024-25、2025-26の2シーズンは現在の広島サンプラザホールをメインホームアリーナとして活動させていただいて、B.PREMIERが始まる2026年からは5年間、暫定で広島グリーンアリーナを使わせていただける、という流れになっていますので、ここから7シーズン以内に新アリーナ建設を進行していかなくてはいけません。今日のB.PREMIERライセンスの交付決定を受けて、新アリーナの動きを加速していきたいなと思っています。

 ―新アリーナはどういう方向性が望ましいですか。
先日も発表させていただきましたけども、JR広島駅北口のJR西日本様の土地の活用がまだ決まってないということでして、今からご相談なのですが、そこで新アリーナを建設するとなれば、民間の土地なので、民設民営になっていくのかなと思います。もし場所が国、県、市の土地であれば、公設という形になると思いますので、場所によって事業スキームが変わってくるのかなと考えています。
これから我々がご相談する先に関しては、色々やり方はあると思いますが、そこは我々が決められることではないです。そのため「どういう形が望ましいか」というのは、まだ見えていない部分があります。
今、全国のアリーナは民設民営が半分、公設公営が半分といったところです。プロ野球、Jリーグはほぼ公設公営ですが、新しいチャレンジということで、バスケットボール界でも民設民営のアリーナというのも完成してきています。何がベストなのかは少し検証が必要です。


―いつまでに目処は立ちますか。
そうですね、まず、JR西日本様も「前向きに」とおっしゃっていますので、事業スキームをどうするか、細かいところを積み上げていきながら、難しければまた別の場所を探さないといけないですし、話が進むならばどんどん進めたいと思います。ただ、この1-2年である程度のところまでは見えてこないと、7年後の着工には間に合わないと思いますので、ここから話を加速させていきたいと思います。

―Bプレミア参入を果たした意義は。
島田チェアマンもおっしゃったように、現在のBリーグは「オープン型」の運営で、Jリーグやヨーロッパサッカーのように昇降格があり、競争が激しい形になっています。このオープン型とプロ野球のような昇降格のない「クローズ型」の2つがありますが、今度のBリーグはその間をとった「エクスパンション型」という新しい形になります。ユース(育成年代)組織を保有しながら、(新人選手獲得に)ドラフト制度を導入するといった新しいプロスポーツの枠組みにチャレンジします。そして「型破りなエンターテイメント」を志向して、競技はもちろんエンターテインメント性を追求して、お客さんの満足度を上げていく方向に進みます。そのためにはアリーナが必要だ、ということです。
競技だけを追求していけばいいわけではない新しいチャレンジが必要な状況で、その中に(ドラゴンフライズが)所属できるというのは非常に光栄なことだと思いますし、ここからが勝負になってくると思っています。
Bリーグが誕生して10年で、ようやく「Bリーグらしい形」をスタートし始めた状況だと思っています。創設時に制度設計を急遽作ったこともありまして、今まではJリーグと全く同じ仕組みでした。そこから10年後、Bリーグがもっと発展しやすい形に生まれ変わると私は捉えています。ここからが本当の勝負といいますか、クラブが頑張れば頑張るほど、成長を加速していける仕組みになっていくはずだと思っています。
ドラゴンフライズは今シーズンで11シーズン目ですから、13シーズン目でB.PREMIER入りを果たすことになります。B.PREMIERにチャレンジできることが非常に楽しみですし、ワクワクしています。B.PREMIERができることによって、もちろんその下のカテゴリーも含めた全体で盛り上げていくのはもちろん、メディアも含めて注目度が上がると考えています。B.PREMIERクラブの名に恥じないように、いいクラブを作っていきたいと思います。


―今日の発表を受けて、今後の将来性をどう見ていますか。
やはり1番のポイントは新アリーナだと思います。例えば琉球ゴールデンキングスは、沖縄アリーナができてからのクラブの成長が著しいと感じます。島田チェアマンも当初、B.PREMIERは「10クラブぐらいかな」と話していたのがだんだん増えて、一旦「18クラブ」としたところ、さらにその18クラブの限定を撤廃しました。その背景には、やはり「新アリーナができる流れを止めたくない」「各地で新アリーナの話がせっかく進んでいるのであれば、どんどん進めていこう」という狙いで、限定を撤廃したのだと感じています。ということは、日本全国、Bリーグを中心に新アリーナを建設することによって地域を活性化し、クラブを成長させていく。そのような流れの真っただ中にいると思います。我々はいまお話した通り、今から7年後を目処に、計画とすればこの3年ぐらいが勝負だと思いますが、その間に今できているアリーナ、そして今からどんどんできるアリーナを参考にできる立場にあると思います。全国に今ある新アリーナにも「もっとこうすればよかったんだ」とか、「もっとこうした方がお客さんは喜ぶ」とか、いろんな課題が山積していると思います。我々が後からアリーナを作る方が、よりハイブリッドな形でできる可能性があると思います。
もう一つはやはりファン、ブースターの数です。一次審査で受かったクラブは、どこもファン、ブースターの数が非常に多い、人気のあるクラブです。11シーズン目の我々はまだまだ未熟なところは多々ありますが、ファンを増やしていく、拡大していくことがやはりプロスポーツクラブ経営で最も大事なことだと思います。ハード面のポイントがアリーナなら、ソフト面のポイントはファンの数です。いかにファンになっていただけるように我々がマネージメントしているかが非常に重要だと捉えています。


―「すごくハードルが高かった」と振り返っていましたが、1番厳しかった部分は。
やはり「4,000名以上」と「アリーナの要件」ですね。まず「4,000名」ですが、前年が平均3,300名ぐらい、広島サンプラザホールは4,200席の設計でした。それで4,000名を達成しようとするとですね…。今回の審査の「4,000」はチケットの販売数じゃなくて、実際に来場した数なんです。とすると、着券率(=販売した数のうち、実際に来場する比率)を計算した時に、4,200席だと仮にチケットが全部売れたとしても、着券率が90パーセントでも4,000を割ってしまう、という状況でして、ここが非常に難しい部分でした。
アリーナの席数のキャパシティがもっと大きければ、少々波があってもチケットを売っていれば4,000名を超えられると思いますが、最大限にチケットを売っても(4,000名に)届かないかもしれない状況でしたので、席数を増やしたり、全席指定席にしたり、クラブで色々と創意工夫をしました。少しでも席を増やせるように施設と調整させていただいて、まず「立ち見を入れたら4,700~4,800名」というところまで持っていきました。あとは、自由席だと着券率が低いことがデータに出ていたので、全席指定席にして、着券率を上げていこうと。ここがまず1つ、ハード面からくる問題でした。
そしてそこから、いざスタートしましたが、やはり4,000名以上入れるとなると3,300名から4,600名は、増やす割合で言ったら大きかったです。そこは地元の皆さんから、本当に色々な立場から支えていただきました。特に1番大きかったところは、カープさんとの「カープコラボ月間」を実施させていただいたことですね。もともとスポーツを応援している人達に来ていただけるような施策を、カープさんと共にできたのは大きかったのかなと。それが12月で、そこから勢いに乗れたのかなというのは1つあります。
アリーナに関しては、広島県内でそのライセンスの基準をクリアする可能性があったのは広島グリーンアリーナだけで、なおかつそのグリーンアリーナを改修しないといけない。ここが非常に難しいというか、調整にかなりのエネルギーを費やしたところです。それも、湯崎知事始め広島県の方々の本当にサポートしていただきました。その2点が、非常にタフな道のりだったと感じています。


―島根と広島が晴れてBプレミア入りとなりました。過去のB1昇格プレーオフや昨シーズンのワイルドカード争いなど、少なからず因縁があります。そんな島根スサノオマジックとB.PREMIERで中国ダービーができることについて、期待は。
我々にとって島根スサノオマジックさんというのは、クラブの力を引き上げてくれた最大のライバルですね。ファンの方々も、やはり島根戦はお互い、一番燃えるカードかと思いますし、広島の企業の方々とコミュニケーションをとって「がんばれよ」と言われる中でも、「特に島根だけには負けるなよ」みたいな声は多数いただきます。それはやはり「中国地方のプライド」のようなものがあると思います。そういう意味でも、切磋琢磨できる素晴らしいライバルだと思っています。島根スサノオマジックさんは我々より常に1歩前にいて、B1も我々より先に昇格していますし、クラブの設立も我々より先です。昨シーズン、我々が優勝して、そこでは先に行かせてもらいましたけども、それはやっぱりスサノオマジックの存在が大きくて。そのライバルがいるからこそ、我々の力が引き上げられるという風に思っていますので、2チームがB.PREMIER入りできたことを非常に嬉しく感じています。さらに盛り上げるためには、お互いがビッグクラブとしてどんどん大きくなって、チームの成績も含めて、いろんな形でBリーグを引っ張れるような、そんな存在にお互いになっていけたらなと。本当にリスペクトを込めてそう思っています。