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2024-25シーズン チーム編成について

いつも広島ドラゴンフライズへのご支援・ご声援をいただきまして、ありがとうございます。
2024-25シーズンのロスター13名および、トップチームスタッフが決定いたしましたのでお知らせいたします。来シーズンの編成について、岡崎修司ゼネラルマネージャーより、ご説明をさせていただきます。

 

1.はじめに

本日をもちまして、2024-25シーズンのトップチームの編成を終えましたのでご報告いたします。まず、今シーズンをもってアイザイア・マーフィー選手や船生誠也選手、カイル・ミリングHCをはじめとする多くのスタッフが退団の運びとなりました。退団発表時の繰り返しにはなりますが、クラブとしては本当に難しい決断となりました。結果的に、広島を長きにわたって支えてきた選手・スタッフの退団でしたので、驚きと落胆の思いをお持ちになった方も多かったのではないかと感じております。これまでの広島ドラゴンフライズへの貢献に感謝し、力を出し尽くしてくれた彼らのキャリアの成功を心から祈念しております。



来シーズンの広島ドラゴンフライズは、新たに渡部琉選手と市川真人選手を迎え入れた上で、朝山正悟HCと多くの新加入スタッフの体制で走り出します。チームの軸となる選手は継続しているため、今シーズンに積み上げてきたものをしっかりと継承しながら、新たなスタイルへの挑戦を進めていき、来シーズンは「継承」と「革新」のシーズンとなるように尽力したいと考えております。ご存知の通り、来シーズンはEASLへの出場が決まり、年間を通して海外遠征を続ける新たな挑戦も始まります。Bリーグ優勝・天皇杯優勝・EASL優勝の3冠を目指すチャンスのあるシーズンであり、今まで以上に総合力が求められると考えています。今シーズンに続き、若い選手が多いドラゴンフライズは、シーズンを通して成長する余白が最も大きなチームだと思いますので、個人とチームそれぞれが今シーズンから大きく成長した姿を見せられるよう、強い気持ちを持ってバスケットボールに取り組んでまいります。また、現時点ではご紹介をさせていただいたロスターとなっておりますが、例年通り、シーズンを通して、有力な選手との契約の可能性や怪我などの不測の事態があれば、クラブとしては全力で新規の契約に動くつもりです。今後も皆様に良い報告ができるようにしっかりと準備を進めてまいります。

 

2. 2023-24シーズンの振り返り

来シーズンの編成を進めるにあたり、改めて2023-24シーズンの振り返りを行いました。結果としては、西地区3位、ワイルドカード上位でCSに出場したうえで優勝することができ、昨シーズンからのステップアップを感じると同時に、新たな課題を見つけたシーズンとなりました。
まず、「粘り強く、強固なディフェンスから組織的なオフェンスを展開する」というスタイルは非常に高い練度で体現できたと考えています。具体的に数字で見ていくと、レギュラーシーズンの失点数は、リーグ3位の平均73点と大幅に改善されています。失点数については、後述する試合のペースの影響を受けるものではありますが、真のディフェンス効率を表すディフェンシブレーティング(100回攻撃された場合の平均失点数)は104とリーグでも5番目に高い数字となっております。今までのBリーグの歴史、データを見ても、CSで優勝争いをするチームは例外なくディフェンスレーティングがリーグ上位で、リバウンドが強いという傾向があることがわかっており、ここ数年は強固なディフェンスの構築を掲げて、取り組んできました。今シーズンはチーム全員が取り組んできた組織でのディフェンス力が数字に現れた形となり、非常に手応えを感じたシーズンとなりました。また、昨シーズンの振り返りで掲げていた、ディフェンス以外のリバウンド面や、フィジカル面についても、改善の余地はあるものの、B1のトップと比べても見劣りしないレベルにまで上がってきたと考えております。
成長を感じる一方、レギュラーシーズンの中では安定した強さを発揮できない時期も長く続きました。3Pシュートやフリースローの確率が上がってこなかったことや、オフェンス面での単調さが目立つような展開も多くありました。数字としても、昨シーズンはリーグトップを争うオフェンス効率でしたが、今シーズンはオフェンス効率でも順位を落としていたうえ、数字以上にゲームをご覧になられている方にとって、ストレスの溜まるような展開だったのではないかと思います。
良い面と悪い面があった今シーズンでしたが、まずはディフェンスの強化を優先に掲げた中で、ある程度の成果が出たことはクラブとしては着実な成長を実感しております。また結果としては優勝となりましたが、レギュラーシーズンでの勝率やプロセスを振り返ってみると、課題の方が多く、圧倒して勝利するような力があったとは言えないと考えています。来季も挑戦者として、粘り強く戦い抜くことや、正しいプロセスを積み上げていくことが求められると思います。チームとしては毎年現状維持ではなく、ステップアップをしていく必要がありますが、バスケットボールは非常に複合的な要素で成り立っているので、何かを変えれば、何かを失うリスクも持ち合わせています。来シーズンにおいても、絶対にうまくいくというような魔法はありませんが、これらの振り返りを踏まえて戦術や編成について検討を重ねてまいりました。


 

3.来シーズンの挑戦

そのような中で、来シーズンについては、今シーズンまでに積み上げてきたディフェンス力をしっかりと継続しながら、見ている皆様がワクワクするようなオフェンスを展開できるようにしたいと考えております。具体的には、「試合のペース」と「アグレッシブさ」の2点を追求したいと思います。
まず、「試合のペース」についてですが、今シーズンは1試合を通して遅く、重たい展開のバスケットを中心に勝負をしてきました。来シーズンはトランジションの速いバスケットにも挑戦をしたいと考えています。広島は外国籍選手を含めて若く、走力がある選手が揃っています。試合の流れの中で、早い展開に持ち込むことでリズムを掴める選手も多いと思いますので、今シーズンには見られなかった爆発力を持ったチームに成長できると思います。速いペースの中で、高いレベルのディフェンスをし、オフェンスでもより良い判断をしていくことは非常に難易度が高く、クラブにとっても選手にとってもチャレンジにはなりますが、シーズンを通して自分たちのバスケットボールを確立できるよう、尽力したいと考えています。
2つ目の「アグレッシブさ」についてですが、選手一人一人が攻守にわたり攻撃的にプレーし、個々の特性がより強く発揮されるようなバスケットボールを展開したいと考えています。具体的には、選手たちが自ら考えて判断し、思い切りの良いプレーを選択できるバスケットボールを目指します。今シーズンまでの私たちの悪い時間帯は非常に停滞感を感じるものでした。例えば、ボールを展開することが目的のような形となり、シュートを打つべきところで打てていないといった場面などはわかりやすいシーンの一つかと思います。もちろん、バスケットボールのセオリーとしてボールを動かせば得点期待値が上がるという理論もありますので、バランスは考える必要はあります。ただ、停滞感を打ち破るには、ゲームの流れや好不調などの状況も踏まえて、選手たち自らが判断できるようになることが重要だと考えています。選手たちの自主性を促すことは、彼らの成長につながり、キャリアをより良いものにすることにつながると思います。広島では他競技でも、「育成の広島」という言葉がありますが、ドラゴンフライズでプレーする選手たちが成長できる環境や組織作りに継続して取り組んでまいります。なお、個々の特性という意味では、ビッグラインナップを取れる布陣が今シーズンに続いて、来シーズンもあるので、その場合にはゆっくりとした重たい展開を作ることも選手たちの強みを発揮することになると考えています。

 

4.強化方針について

ここまで振り返りをしてきましたが、バスケットボールは対戦相手や試合の展開、攻撃回数、エントリーできる選手などの影響を含めて考えるものですので、単純な算数ではなく、仮説と検証だけで強くなれるものではないと思います。日々の練習や試合に取り組む中で、総合的に改善と成長をはかっていきたいと考えております。
強化方針を踏まえた編成については、上記の課題改善ができるような選手と、戦術に落とし込めるスタッフとの契約を進める方針を掲げました。具体的な方向性としては、既存の選手たちを継続し、積み上げをすることを主軸に置きながらも、課題解決やクラブの将来に直結するような選手の獲得の可能性にも動いてまいりました。2023年末時点で、前述した課題感と方向性はある程度持つことができておりましたので、取れうるすべての可能性について早期に整理し、検討や交渉を進めながら、来シーズンの準備を行ってまいりました。
また、ここまで戦略面の話をしてまいりましたが、強化方針としては戦略だけではなく、すべての試合で、観戦してくださるブースターやパートナー、様々なステークホルダーの方々に何かが伝わるゲームができたかどうかということが最も重要です。広島らしさとは、今シーズンのチームが見せてくれたように勝っても負けても「粘り強く、諦めない」ことだと思います。最後まで相手と競い合う中で、「HIROSHIMA PRIDE」を見せ、「観に来てよかった」と思っていただき、地域の皆さまに元気を与えることのできるチームを目指して今シーズン以上に努力をする必要があると強く感じております。

 

5.スタッフ編成について

上記のシーズンの振り返りや強化方針を踏まえて、まずはコーチングスタッフの検討をし、朝山HCとの新規契約を決断いたしました。個別の契約合意コメントでもご説明をさせていただきましたが、チームの課題感を共有したことと、これまで積み上げてきたものをしっかりと引き継ぐことができるという点、さらには目指していくバスケットボールのスタイル、チーム・選手の成長戦略がマッチしたことが大きな理由となります。クラブの歴史や理念にも共感し、同じ方向を向いて成長をしていけることを確信しております。
朝山HCを支えるアシスタントコーチ(AC)には、田方慎哉コーチ、山鹿誠弘コーチ、池谷智明コーチ、坂本ジェイコーチの4名との契約を決定いたしました。若いコーチも多いですが、国際経験も豊かですし、今シーズン以上に手厚い配置をとる中で、今まで以上のチーム力の向上に貢献してくれると思います。ACたちが幅広い業務を担当し、ヘッドコーチと選手の間に入ることで、選手個々の成長と、より良いチームへの成長につながると考えています。また、来シーズンは多くの選手が継続するため、選手同士の連携は非常に良い状態にあります。選手間の連携の比重が大きい今季までのディフェンスを含めた戦術・戦略の浸透は早期に完了できる見込みです。
さらに、アナリストについては現在最終調整中ですが、最大2名のアナリストとの契約予定となっております。業務の細分化をはかりながら、相手チームのスカウティング強化だけでなく、自チームの分析の頻度と精度も上げ、戦術面の落とし込みやインプット、アウトプット量を増やすことで更なる勝率の引き上げと選手個人の成長も導いてまいります。
トレーナーに関しても森田憲吾ヘッドトレーナーと石坂航平アシスタントトレーナー、高橋大輔ストレングスコーチの継続となりました。今シーズンはフィジカル面の強化を担当し、コート上でのパフォーマンス向上に大きく貢献をしてくれました。来シーズンは選手特性に合わせ、今シーズン以上の能力アップのトレーニング計画を進めており、B1トップクラスのフィジカルを目指して尽力してまいります。
マネージャーに関しては、光下朱里彩ヘッドマネージャー、大久保アシスタントマネージャーとの契約になりました。クラブとして業務の効率化を進めながら、強い管理体制を作ることで、選手・スタッフを支え、最高のコンディションを維持できるサポートを行ってまいります。

 

6.選手編成について

来シーズンの選手編成につきましては、一緒に成長することのできる継続選手と新たな力として新加入選手を受け入れることができました。
まず、インサイド陣はケリー・ブラックシアー・ジュニア選手、ニック・メイヨ選手、河田チリジ選手の契約継続と、市川選手の新規契約を決めることができました。大黒柱となるインサイド選手の継続はチームにとっては非常に大きな強みになると考えています。



まずブラックシアー選手は今シーズン、得点・リバウンド・アシストと攻守においてチームの大黒柱として機能しました。来シーズンは自らの強みをさらに発揮し、最高の活躍をしてくれると思います。



加えて、メイヨ選手は高確率の3Pシュートからインサイドのプレーまでオールラウンドにプレーすることができます。スムーズに行けば、シーズン中に日本人帰化をすることが可能となるため、クラブとしてしっかりとサポートを続けてまいります。



帰化選手の河田選手は、強さと高さ、リバウンド力をチームにもたらしてくれます。今シーズンはブランクのある中でシーズン途中からの契約でしたが、来シーズンはチームのスタートダッシュに貢献してくれると思います。



また、日本人ビッグマンの市川選手は成長著しい選手ですので、チーム内の激しい競争の中で、大きく成長し、チームに新たなオプションをもたらしてくれることに期待をしています。

ウイング、シューター陣には、ドウェイン・エバンス選手、山崎稜選手、三谷桂司朗選手、武内理貴選手の契約継続と、新たに渡部選手を迎え入れることとなりました。



エバンス選手は高い運動能力とバスケットボールIQ、競争心をもち、来シーズンも勝利に導く活躍をしてくれると確信をしています。今シーズンは後半にかけてSFとしてのプレー時間も多かったですが、来シーズンも同様にプレーの幅を広げてもらうこととしています。





山崎選手は今シーズン、安定したディフェンスと3Pシュートでチームに貢献をしてくれました。移籍1年目から結果を出すのは非常に難しい中で、チームの主力として活躍し、チャンピオンシップでの躍進にも大きく貢献をしてくれました。来シーズンもチームを支える選手になっていくと信じています。



三谷選手はシーズン途中に加入後、スターターを勝ち取り、チームの勝利に貢献してきました。広島出身の選手として、今シーズン以上の活躍と来シーズンは新人王を狙って欲しいと思います。



武内選手についても、シーズン途中に加入後は怪我で出遅れることとなりますが、高いシュート力を活かし、いくつかのゲームで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。B1の強度に慣れる来シーズンは更なる成長に期待をしています。



そして、新加入の渡部選手は、特別指定選手として広島でプレーした経験もありますが、当時よりも大きくパワーアップして帰ってくることとなりました。チームの主軸を担うことのできる能力を持っていますので、3Pシュートと柔らかいプレーで即戦力として貢献できると思いますし、チームを勝利に導くようなパフォーマンスに期待をしています。



最後に、ポイントガード陣は今シーズンに続き、実力と将来性を兼ね備えたロスターとなりました。
寺嶋良選手は怪我に苦しむシーズンになりましたが、来シーズンは完全復活をしてくれるはずです。圧倒的なクイックネスに加え、高確率の3ポイントシュートなど、広島ドラゴンフライズのオフェンスを牽引するエースプレイヤーとしてチームを引っ張ってくれると思います。



広島3年目となる上澤俊喜選手は高確率の3Pシュートを武器にもつガードとしてプレー予定です。高いシュート力から引力のある選手としてオフェンスのきっかけを作ってくれると思いますし、今まで以上にチームの核になる選手へと育っていくと思います。また、常に準備をし、成長をやめない姿はチーム全体にも良い影響を与えてくれると考えています。



中村選手は今シーズン中に大きな成長を見せてくれました。リーグでもトップクラスの高いディフェンス力と得点能力を持ち、アップテンポなゲームを作ることが可能です。中心選手として勝利に導く活躍に期待したいと思います。



ロバーツ選手についても、今シーズンの経験を経て、来シーズンは自分の強みをしっかりとコートで発揮してくれるはずです。爆発力を持った選手ですので、信頼を勝ち得て、コートで活躍する姿に期待をしたいと思います。

 

7.まとめ



来シーズンのスタートは上記のメンバーで活動をしてまいります。メンバーを見ていただくとわかるように、今シーズンに続き、私たちは最も若いチームの1つになると思います。経験豊富なコーチが方向性を示し、若手選手がそのベクトルに加わることで、大きな力が発揮されると信じています。若手の選手が成長するにはある程度のプレータイムが必要ですので、そういった観点からも編成を進めてきました。責任感を持った上でコートに立ち、経験を積んで成長することで、今シーズンのように、急成長していく選手が出てくると考えております。繰り返しになりますが、変化と成長をしていくことで、チームとして最も大きな力が発揮されると考えております。短期的には連覇という成果を求めながら、伸びしろのある若手選手の成長にも期待し、中長期的な視点からも強化を進めてまいります。レギュラーシーズン・天皇杯・EASLを怪我なく乗り越え、Bリーグチャンピオンシップを勝ち進むには総合力が重要となりますので、全員がそれぞれの役割を理解し、最後まで戦い抜く姿に期待をしたいと思います。

 

8.最後に



 

最後になりますが、今シーズンの開幕は多くの選手の怪我やロスターが揃わないところから始まり、なかなか勝利を積み重ねることができず、CS進出は難しい状況にもなりました。そのような苦しい状況からも諦めることなく、戦い続けた結果、終盤の驚異的な勝率を記録し、ファイナル進出と、多くの感動を生むことができました。来シーズンは新たな体制の中で、積み上げてきたものをさらに飛躍させる1年にしていきたいと思います。強豪クラブを目指し、文化や歴史を作る上では、CSに毎年出場することは一つの指標となりますし、最高の景色をもう一度取りに行きたいと多くの選手が思ってくれています。そういった意味でもチームにとって来シーズンは今シーズン以上に重要であると同時に、新体制のクラブにとっても来シーズンは勝負の1年となります。

今シーズンはクラブとしても節目の10年目となりましたが、他のBクラブや広島県内のプロスポーツチームと比べても、我々はまだまだ歴史が浅いクラブです。実力としても、今シーズンの優勝は素晴らしいことではありますが、強豪クラブと認識してもらうことや、バスケットに興味のない方を巻き込んでいくという観点でいうと、まだまだ課題は多く、成長の余地が残っていると感じております。目の前の試合の勝利を目指しながら、中長期的な成長を見据え、クラブの哲学や理念を浸透させてまいります。勝敗を全てコントロールすることは難しいですが、2024-25シーズンの広島ドラゴンフライズも「HIROSHIMA PRIDE」を持ち、「決してあきらめることなく、粘り強く戦い続ける」ことで、多くの熱狂を生んでいくことをお約束します。B1の強豪クラブと言われるよう、挑戦者として努力を続けてまいりますので、引き続き、ご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします。

株式会社広島ドラゴンフライズ ゼネラルマネージャー 岡崎 修司