MENU

広島ドラゴンフライズ

HIROSHIMA DRAGONFLIES

MENU
NEWS

NEWS

HOME > ニュース > 岡崎修司新ゼネラルマネージャー 就任記者会見コメント

岡崎修司新ゼネラルマネージャー 就任記者会見コメント

2021年3月10日に広島ドラゴンフライズ クラブオフィスにて岡崎修司新ゼネラルマネージャーの就任記者会見を実施いたしました。

■登壇者
浦 伸嘉(代表取締役社長)
岡崎 修司(新ゼネラルマネージャー)

■株式会社広島ドラゴンフライズ 代表取締役社長 浦伸嘉より ごあいさつ

まず、この度は、広島ドラゴンフライズの選手が逮捕ということになり、ファンの皆様、パートナー企業の皆様、広島県民の方々、クラブ関係者の方々、そして一生懸命新リーグとして立ち上げて運営してきたBリーグの皆様に本当にご迷惑をおかけして、深く反省しておりますし、残念な気持ちでいっぱいです。
まず、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした。
本日はそれを受けて、再発防止策の策定と、新ゼネラルマネージャーを決定いたしましたので、ご報告させていただきます。

■岡崎修司新ゼネラルマネージャーより ごあいさつ

本日はお忙しいところお集まりいただきありがとうございます。
新ゼネラルマネージャーに就任いたしました岡崎です。
チームの選手・スタッフの声を聴き、フロントとの懸け橋となれるよう活動してまいりますので、よろしくお願いいたします。
少し、この度の就任について、私の思いをのべさせていただきます。
私は、このクラブの立ち上げ当初から関わってきました。当初は選手としてプレーいたしまして、引退後はアンダーカテゴリーの強化、育成環境の整備に努めてまいりましたし、プロスポーツクラブの存在意義でもあります地域貢献活動にも年間100回のペースで行ってきました。活動する中で徐々に、スポーツクラブ全体の運営にも興味を持ち始めました。それが2年前のことです。
そのためには、経営的な観点が必要だと感じておりました。今回はGMという職となりましたが、この職を目指してきたわけではありません。ただ「クラブの中に入って、この地域のプロスポーツクラブを支えていきたい」という思いはずっと持っていました。
私自身、経営という力は不足していると当時思いましたので、県立広島大学の経営修士号を取るために2年間学んできました。この3月にMBAの資格を取得予定で、これも今後に生かしていきたいと思います。広島の経営者の皆さんと一緒に講義を受けて、ディスカッションやケーススタディも続けてきました。スポーツビジネスの国内外の成功事例、失敗事例も様々学んできております。また、自分で事業を起こさないと進めないと思いましたので、実際に2018年に会社を作って運営しています。
こうした経験も、クラブに還元したいと思ってやってきているのですが、GMの経験は1年目になります。GMは日本ではあまり一般的な役職として確立していないですが広島のため、広島ドラゴンフライズのために全力を尽くしてまいりたいと思います。
力不足なところもあるかもしれませんが、私はよくも悪くも広島にずっといて、広島から出たこともない人間ですので、広島のバスケットボール、広島のスポーツ、この地域にかける思いは誰にも負けないと自負しています。この思いをクラブに還元すべく活動してまいりますので、皆様のご声援のほど、よろしくお願いいたします。
最後になりますが、現在もアンダーカテゴリーのコーチなどいくつか役職を持たせていただいています。このタイミングでの(GM)就任となりましたので、そのあたりの整理をしつつGM業をやる形になります。
来季を見据えて、目指すべきバスケットボールのスタイルを確立し、チームカルチャーをしっかり構築していく、そういった中で、見てくださるファンの皆様、パートナーの方々に応援され、何かを感じていただけるチーム、一緒に戦えるようなチーム作りを、クラブとともにやっていきたいと思います。
これから、よろしくお願いいたします。

■浦社長より就任の経緯説明

今回、岡崎さんにGM就任を打診した経緯を時系列に沿ってご説明いたします。
さかのぼれば、彼が引退した(2018年の)タイミングで、「ドラゴンフライズと一緒に仕事をしていこう」という話をして、アンバサダーとユースコーチの仕事を頼んで、ここまで一緒にやってきました。その時、(将来に向けた)大きな話として、「将来的にチーム運営を一緒にやっていこう」という話はしていました。
なぜなら、短期的なことも大事ですが、中長期的に見て、10年後のドラゴンフライズがどうなるかが大事だからです。日本一のクラブになるためには、新たな形のGM像が必要だと思っています。­­­­単純にバスケットボールの経験があればGMが務まるわけではないと思います。経営の観点だったりビジネス感覚が必要ですし、例えば選手に対して金銭感覚やファイナンシャル・リテラシーを教育できたり、伝えたりしながらプレーも向上させられる、そういう役割が必要ではないかと思います。アメリカの例を見ていても、選手が引退後にお金の問題で困っていたり、セカンドキャリアで困っている例はたくさんあります。GMという仕事は今後非常に重要になるので、岡崎さんが引退したときにはそういった(分野の)ことも考えておいてくれ、と伝えていました。
そうした経緯がある中で3月8日の選手逮捕があり、その夜にオーナー、取締役を含めた緊急ミーティングをしました。GMを専任で立てていないために管理体制が不足していると感じましたので、岡崎さんに連絡して「GMを専任で受けてもらえないか」と話をしました。すぐに「わかりました」と答えてくれました。以前からの話の流れもありましたし、「広島のために力になります」と言ってくれましたので、「では、そういう形にしよう」と話しました。
これを受けて昨日3月9日に私のGM退任を発表し、整理をつけて本日の発表としております。
岡崎さんは広島出身でプロ選手のキャリアも積んでいますし、真の文武両道と申しますか、単純なプロスポーツ選手だけではないところが我々にとって価値の高い、貴重な存在です。日本ではGMがどういう仕事をするのが確立されていませんが、彼が今、この時点から経験していくことによって、5年後、10年後に、ドラゴンフライズがより一層強固なクラブになり、より強固なチームを運営できるのではないかと思って声をかけました。
GM専任ということで、私が兼務してきたものを分業、分担できていくと思います。(お互いに)いい力を発揮して、いいクラブを、いいチームを運営してまいりたいと思っております。
続いて、再発防止策について申し上げます。お配りした資料のまずひとつ目の「ゼネラルマネージャー(GM)による定期的な面談増などコミュニケーションの深化」です。私がGMを兼務していたことで選手とのコミュニケーションが不足していました。もちろんコミュニケーションをとりにはいくのですが、限られた時間の中ではどうしても難しい部分があり、それが管理不足につながり、今回の事態を引き起こしたと深く反省しておりますので、専任のGMを立てて、選手と向き合う時間をまず長くします。練習もそうですし、試合にもすべて帯同してもらいます。その中で何か問題があれば私と一緒に解決する。そういう形でいこうと思っています。
2つ目の「現地での第三者機関による外国籍選手の身辺調査の実施」ですが、外国籍選手を獲得するにあたっては代理人が必ずついているのですが、それだけではなく、第三者機関による身辺調査をしたうえで獲得しようと考えております。3つ目の「外国籍選手の出国前のドラッグテスト追加実施」ですが、今は入国時にメディカルチェック並びにドラッグテストを行っています。これに追加して、日本への出国前のドラッグテストを課すことを契約書に明記しようと思っております。続いて4つ目の「法令違反が発覚した際の損害賠償条項の追加」ですが、法令違反が発覚した時の賠償金についても契約書に明記し、法令違反のハードルをもっと高くしていこうと思います。今回の問題も、文化の違いだったり、国の法律の違いだったりに起因するかもしれないのですが、日本は日本なので、しっかり契約に明記する形に作り直していきたいと思います。もちろんのことながら、5つ目の「法令遵守のための研修の実施」も必要です。Bリーグと協力して行っている研修がありますが、これをさらに強めていきたいと思いますし、6つ目の「クラブ独自の定期的ドラッグテスト並びに抜き打ちドラッグテストの実施」を、医療チームと連携して実施していきます。再発防止を必ず成し遂げたいと強く思っていますので、この6項目をしっかりやっていきたいと思います。
中でも、私の兼務による管理不足で、ガバナンス(統治)が効いていなかったのが今回の事態を招いた最大の原因だと思っていますので、ここを解決するために専任GMを置きました。かねてからその構想があり、タイミングが早まった形ですが、ここは再発防止を徹底的に行うというクラブとしての強い覚悟がございますので、この新体制でリスタートしていきたいと思います。

■質疑応答①代表取締役社長 浦伸嘉

―これまでGMを兼務していた理由は。
浦 Bリーグが始まって5年目ですが、私が兼務し始めたのが2年目からなので、数えて4年目になります。兼任した当初はまだクラブが大きくなっていない時期だったので、判断のスピード、選手契約、運営のことも含めて、兼任する方がよりスムーズに、スピーディーに決まることが多いと判断していたことが理由です。今より規模がだいぶ小さかったですから。
ただ、今どんどんリーグもクラブも成長していますので(社長とGMを)分けて専任にしないといけないフェーズに来たとは昨季から感じていました。しかしB2時代、B1昇格する前から声をかけた選手もいましたし、どこで区切りをつけるかなと思っていたところでした。いずれにしても、兼任した時はその方が判断スピードが速いと思っていたのがその答えです。

―分担のメリットは。岡崎GMとどう連携していきますか。
浦 例えば、育成年代の関係者とこれまでより密に関係構築ができると思います。社長の私が兼務しているとその動きはどうしても鈍くなります。岡崎GMにいろんな育成年代の大会に顔を出してもらって、いい選手がいれば直接、監督とコミュニケーションをとるであるとか、そういうメリットがあります。あとは試合からの情報収集です。BリーグはB1からB3まであるわけですが、その試合を見て、より多くの選手の情報を手に入れることができるのも大きいです。一番大事なのは情報だと思っています。その情報を国内だけでなく国外もしっかり収集して、その上で精査していきたいと思います。

―GMを退任することについての思いは。
浦 新しくBリーグができて、新しいチャレンジといいますか…。JリーグであればGMに当たるのは強化部長で、フロントに社長がいるのが通例かと思いますが、新しい挑戦ととらえて、私が兼務することでどこまでクラブが成長できるか、と思いながらチャレンジさせていただきました。力不足なところもありました。B1に昇格するのに時間がかかりましたし、このような事態も起こしてしまったという責任も感じていますので、より一層地域に愛されるクラブになるための正しい判断だと思っています。次に向けて進んでいくしかないと思います。

―トレイラー選手逮捕を選手に伝えた時の反応は。
浦 ただただ、びっくりしていた印象です。急なことでしたので、それが率直な感想ではないかなと。

―再発防止策を策定されました。今回の事態の一番の原因は何だと思いますか。
浦 決まりごとというか、契約書の中身もそうなんですけども、個人の動きに対するルールだったり、教育のところだったり、その組み立てが甘かったのかなと。リーグの研修もしていますし、直接「日本ではこうだ」という話もしています。例えば、飲酒運転は非常に罪が重い点であるとか、ドラッグももちろんですが、そういう話を常にしています。しかし、その話をしている中でこういうことが起きてしまったということは、教育の仕組みとか、契約書の中身など、そもそもの組み立て自体を変えていかないと、防ぎにくい課題なのかなと思っています。

―身辺調査の部分で、「第三者機関」は具体的には…。
浦 民間に様々な調査機関がありますので、そこにコンタクトを取り始めたところです。もちろん代理人がついていて、その代理人も大丈夫かどうかを確認しますが、やはり身内ですから。外部からでないとわからないことがあるので、(そうした機関と)連携をとって調査していきたいと思います。

―損害賠償は個別に設定するのですか?
浦 Bリーグでは「統一契約書」という(共通の様式の)契約書があり、それとは別にクラブが独自の「附帯契約書」を交わしていますが、そちらに明記する形を想定しています。

―身辺調査は外国籍選手に限って行うのですか?
浦 日本人選手はある程度クラブでも調査できますが、外国籍選手はなかなか難しいです。第三者機関に依頼するのがベストだと思います。

―外国籍選手の補充は考えていますか?
浦 3月15日が登録期限なので、ギリギリまで粘っている状況です。岡崎GMと最終調整しているところですね。

―外国籍選手が一人いない状況で残りシーズンに臨む可能性もありますか?
浦 その可能性もあると思います。

 ―ファンの皆さん、スポンサー、岡崎さんの関わるユースの選手やスクール生などに対する今回の事態の説明は。
る今回の事態の説明は。

浦 そういったステークホルダーの皆様には、まず昨日(9日)、おととい(8日)でできる限り直接ご連絡をさせていただいて、メールも配信させていただきました。今日発表したこの再発防止策をもって、一件一件丁寧に説明して、言い訳抜きで「本当に申し訳ありませんでした」と申し上げて、信頼をまた一から積み上げる作業をコツコツとしていく他にないと思います。
(今回の事態で)本当に広島県民の皆様、応援いただいている皆様の信頼を損なう形になってしまいました。「せっかく応援していたのに」と。やはり、プロスポーツには多大な影響力があるので、いい影響も与えますが、こういうことになると悪い影響をすごく与えてしまいます。クラブ全体で今回の事態を真摯に受け止めて、日々信頼を得るためにコツコツと努力を重ねていくしかないと思います。

■質疑応答②岡崎修司新ゼネラルマネージャー

―GMを引き受ける決め手は。
岡崎 引退した時に浦社長から「長期的な視野で(トップチーム運営にかかわる)可能性について考えてほしい」と言われていました。今季に入ってになりますが、オーナーからも同じような声かけをいただきました。実際に(就任に)動いたのは直近になるのですが、「いつ(話が)来てもいいように」と準備はしていました。ただそれがこのタイミングになったことで、最初は少し迷う部分と、今のクラブ内の役職がありますので、そのあたりが整理できるのかという不安はありましたが、クラブにとってトップチームの環境というのは最も大事だと私も考えておりましたので(受諾しました)。
これから責任をもってやっていこうと思っております。

―アンバサダー、ユースコーチの方は。
岡崎 今季、残った活動については続けますが、そのあとはアンバサダーとしての活動は終える見通しです。GMとしての仕事に専念する形になります。ユースチームについてはU15カテゴリーの大会が今月末にありますので、これには帯同する予定です。そのあとは、速やかに後任を探して引き継ぐことになります。

 ―就任は本日(3月10日)付ですか。
岡崎 そうです。

―今のクラブの状況をどう受け止めていますか。
岡崎 先日の(選手逮捕の)事態で、地域の方々や応援してくださる方々、パートナー企業の方々に多大なるご迷惑をおかけし、お騒がせしてしまい、再発防止策に努めていく必要があると強く感じているところです。おそらく今の質問には、チームの順位のことも含まれると思いますが、今季については途中から入りますので、テコ入れできる部分は正直、限られているのが現状だと思います。

まずは選手・スタッフとコミュニケーションをとりながら、フロントやオーナーともコミュニケーションをとりながら、どういった選択をしていくべきなのかをしっかり判断していく時間に(今季残りを)していきたいと思います。単純にバスケットボールの面だけでなく、様々な要素がプロスポーツクラブ(としてのドラゴンフライズ)の運営に関わってきますので、そのあたりの情報を自分で整理して、ベストではないにせよ、よりベストに近い、いい選択をしていきたいと思います。

―「コミュニケーションの深化」はどのように?
岡崎 練習、試合などでコミュニケーションをとることはもちろん、今までは(浦が)社長業とGM業を兼ねていたが、時間は私の方が融通が効きますので(コミュニケーションの)量として、もちろん質も含めてですが、まずは量として増やせるかなと思っています。まずは、入れることころから入っていって、環境も含めて作っていきたいですね。

―トレイラー選手の件で、改めて感想を。
岡崎 聞いた時は驚きが一番でした。我々はプロスポーツクラブなので「地域に貢献する、地域の方々を元気にし、話題になって勇気づける」という意義のもとに存在しているのですが、そこから大きく反することになってしまい、同じクラブに属する者として申し訳ないと感じました。再発防止策を立ち上げましたが、これも時が経つにつれて修正し、よりよいものに改定していく必要があると思います。それも含めて(ステークホルダーとの)信頼関係は、じっくり積み上げていくものだと思いますので、その意識のもと活動していきたいと思います。

 ―今季の残り試合についてどう取り組みますか。
岡崎 クラブのモットーである「粘り強さ」を、チームでもテーマとしていますし、様々な場面、状況で使われていますが、最後まであきらめない姿勢を現場(チーム)は持ってくれようとしています。なのでその(チームの)声にこたえるためにも、外国籍選手の獲得に動いており、獲得期限である15日に向けて取り組んでいます。直近の課題はそれですが、情報をしっかり整理して、今後の意思決定をどのようにしていくかをしっかり考えたいですね。

―では、来季以降の長い目で見たビジョンは。
岡崎 繰り返しになりますが、クラブは粘り強さをテーマにしています。なので具体的には、ディフェンシブ(守備の強い)チームを作っていきたいと思います。見ている人が粘り強さを感じるのは、やはり守備をがんばって、勝つ姿だと思いますし、バスケットボールのセオリーとして、守備が強いチームは、間違いなく勝率が高く、チャンピオンシップ進出や優勝につながるというデータもあります。ただ、そこは私だけの決定ではありません。フロントやヘッドコーチの意向が重要ですので、コミュニケーションをとりながら戦略をまとめていきます。
そして、5年・10年単位の長期的ももちろん立てるのですが、まずクラブは最短でのB1優勝を目指しています。ドラゴンフライズはBリーグの中でも随一のスピードで成長していると思うので、クラブとしては選手を含めたトップチームの環境に対して投資すべき段階だと思います。そこを踏まえて、来季どういう選択をするのかを考えていきたいですね。

 ―地域のつながり、としてのクラブの在り方は。
岡崎 先ほども言いましたが、プロスポーツクラブが存在する意義というのは、地域の皆さんを支える、勇気づけること。反対に、このプロスポーツクラブが持続していくためには、地域の方々から支えられる、そんな関係性が重要だと考えています。当然、チームとして考えた時に、バスケの強さであり、試合に勝つ、という部分は当然として、バスケ以外の部分も大事です。コート外の発言、行動で世の中を動かす選手がクラブに多数在籍するチームにしたいという思いがあります。