岡崎修司新ゼネラルマネージャー 就任記者会見コメント
2021年3月10日に広島ドラゴンフライズ クラブオフィスにて岡崎修司新ゼネラルマネージャーの就任記者会見を実施いたしました。
■登壇者
浦 伸嘉(代表取締役社長)
岡崎 修司(新ゼネラルマネージャー)
■株式会社広島ドラゴンフライズ 代表取締役社長 浦伸嘉より ごあいさつ
まず、この度は、広島ドラゴンフライズの選手が逮捕ということになり、ファンの皆様、パートナー企業の皆様、広島県民の方々、クラブ関係者の方々、そして一生懸命新リーグとして立ち上げて運営してきたBリーグの皆様に本当にご迷惑をおかけして、深く反省しておりますし、残念な気持ちでいっぱいです。
まず、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした。
本日はそれを受けて、再発防止策の策定と、新ゼネラルマネージャーを決定いたしましたので、ご報告させていただきます。
■岡崎修司新ゼネラルマネージャーより ごあいさつ
本日はお忙しいところお集まりいただきありがとうございます。
新ゼネラルマネージャーに就任いたしました岡崎です。
チームの選手・スタッフの声を聴き、フロントとの懸け橋となれるよう活動してまいりますので、よろしくお願いいたします。
少し、この度の就任について、私の思いをのべさせていただきます。
私は、このクラブの立ち上げ当初から関わってきました。当初は選手としてプレーいたしまして、引退後はアンダーカテゴリーの強化、育成環境の整備に努めてまいりましたし、プロスポーツクラブの存在意義でもあります地域貢献活動にも年間100回のペースで行ってきました。活動する中で徐々に、スポーツクラブ全体の運営にも興味を持ち始めました。それが2年前のことです。
そのためには、経営的な観点が必要だと感じておりました。今回はGMという職となりましたが、この職を目指してきたわけではありません。ただ「クラブの中に入って、この地域のプロスポーツクラブを支えていきたい」という思いはずっと持っていました。
私自身、経営という力は不足していると当時思いましたので、県立広島大学の経営修士号を取るために2年間学んできました。この3月にMBAの資格を取得予定で、これも今後に生かしていきたいと思います。広島の経営者の皆さんと一緒に講義を受けて、ディスカッションやケーススタディも続けてきました。スポーツビジネスの国内外の成功事例、失敗事例も様々学んできております。また、自分で事業を起こさないと進めないと思いましたので、実際に2018年に会社を作って運営しています。
こうした経験も、クラブに還元したいと思ってやってきているのですが、GMの経験は1年目になります。GMは日本ではあまり一般的な役職として確立していないですが広島のため、広島ドラゴンフライズのために全力を尽くしてまいりたいと思います。
力不足なところもあるかもしれませんが、私はよくも悪くも広島にずっといて、広島から出たこともない人間ですので、広島のバスケットボール、広島のスポーツ、この地域にかける思いは誰にも負けないと自負しています。この思いをクラブに還元すべく活動してまいりますので、皆様のご声援のほど、よろしくお願いいたします。
最後になりますが、現在もアンダーカテゴリーのコーチなどいくつか役職を持たせていただいています。このタイミングでの(GM)就任となりましたので、そのあたりの整理をしつつGM業をやる形になります。
来季を見据えて、目指すべきバスケットボールのスタイルを確立し、チームカルチャーをしっかり構築していく、そういった中で、見てくださるファンの皆様、パートナーの方々に応援され、何かを感じていただけるチーム、一緒に戦えるようなチーム作りを、クラブとともにやっていきたいと思います。
これから、よろしくお願いいたします。
■浦社長より就任の経緯説明
今回、岡崎さんにGM就任を打診した経緯を時系列に沿ってご説明いたします。
さかのぼれば、彼が引退した(2018年の)タイミングで、「ドラゴンフライズと一緒に仕事をしていこう」という話をして、アンバサダーとユースコーチの仕事を頼んで、ここまで一緒にやってきました。その時、(将来に向けた)大きな話として、「将来的にチーム運営を一緒にやっていこう」という話はしていました。
なぜなら、短期的なことも大事ですが、中長期的に見て、10年後のドラゴンフライズがどうなるかが大事だからです。日本一のクラブになるためには、新たな形のGM像が必要だと思っています。単純にバスケットボールの経験があればGMが務まるわけではないと思います。経営の観点だったりビジネス感覚が必要ですし、例えば選手に対して金銭感覚やファイナンシャル・リテラシーを教育できたり、伝えたりしながらプレーも向上させられる、そういう役割が必要ではないかと思います。アメリカの例を見ていても、選手が引退後にお金の問題で困っていたり、セカンドキャリアで困っている例はたくさんあります。GMという仕事は今後非常に重要になるので、岡崎さんが引退したときにはそういった(分野の)ことも考えておいてくれ、と伝えていました。
そうした経緯がある中で3月8日の選手逮捕があり、その夜にオーナー、取締役を含めた緊急ミーティングをしました。GMを専任で立てていないために管理体制が不足していると感じましたので、岡崎さんに連絡して「GMを専任で受けてもらえないか」と話をしました。すぐに「わかりました」と答えてくれました。以前からの話の流れもありましたし、「広島のために力になります」と言ってくれましたので、「では、そういう形にしよう」と話しました。
これを受けて昨日3月9日に私のGM退任を発表し、整理をつけて本日の発表としております。
岡崎さんは広島出身でプロ選手のキャリアも積んでいますし、真の文武両道と申しますか、単純なプロスポーツ選手だけではないところが我々にとって価値の高い、貴重な存在です。日本ではGMがどういう仕事をするのが確立されていませんが、彼が今、この時点から経験していくことによって、5年後、10年後に、ドラゴンフライズがより一層強固なクラブになり、より強固なチームを運営できるのではないかと思って声をかけました。
GM専任ということで、私が兼務してきたものを分業、分担できていくと思います。(お互いに)いい力を発揮して、いいクラブを、いいチームを運営してまいりたいと思っております。
続いて、再発防止策について申し上げます。お配りした資料のまずひとつ目の「ゼネラルマネージャー(GM)による定期的な面談増などコミュニケーションの深化」です。私がGMを兼務していたことで選手とのコミュニケーションが不足していました。もちろんコミュニケーションをとりにはいくのですが、限られた時間の中ではどうしても難しい部分があり、それが管理不足につながり、今回の事態を引き起こしたと深く反省しておりますので、専任のGMを立てて、選手と向き合う時間をまず長くします。練習もそうですし、試合にもすべて帯同してもらいます。その中で何か問題があれば私と一緒に解決する。そういう形でいこうと思っています。
2つ目の「現地での第三者機関による外国籍選手の身辺調査の実施」ですが、外国籍選手を獲得するにあたっては代理人が必ずついているのですが、それだけではなく、第三者機関による身辺調査をしたうえで獲得しようと考えております。3つ目の「外国籍選手の出国前のドラッグテスト追加実施」ですが、今は入国時にメディカルチェック並びにドラッグテストを行っています。これに追加して、日本への出国前のドラッグテストを課すことを契約書に明記しようと思っております。続いて4つ目の「法令違反が発覚した際の損害賠償条項の追加」ですが、法令違反が発覚した時の賠償金についても契約書に明記し、法令違反のハードルをもっと高くしていこうと思います。今回の問題も、文化の違いだったり、国の法律の違いだったりに起因するかもしれないのですが、日本は日本なので、しっかり契約に明記する形に作り直していきたいと思います。もちろんのことながら、5つ目の「法令遵守のための研修の実施」も必要です。Bリーグと協力して行っている研修がありますが、これをさらに強めていきたいと思いますし、6つ目の「クラブ独自の定期的ドラッグテスト並びに抜き打ちドラッグテストの実施」を、医療チームと連携して実施していきます。再発防止を必ず成し遂げたいと強く思っていますので、この6項目をしっかりやっていきたいと思います。
中でも、私の兼務による管理不足で、ガバナンス(統治)が効いていなかったのが今回の事態を招いた最大の原因だと思っていますので、ここを解決するために専任GMを置きました。かねてからその構想があり、タイミングが早まった形ですが、ここは再発防止を徹底的に行うというクラブとしての強い覚悟がございますので、この新体制でリスタートしていきたいと思います。
■質疑応答①代表取締役社長 浦伸嘉
―これまでGMを兼務していた理由は。
浦 Bリーグが始まって5年目ですが、私が兼務し始めたのが2年目からなので、数えて4年目になります。兼任した当初はまだクラブが大きくなっていない時期だったので、判断のスピード、選手契約、運営のことも含めて、兼任する方がよりスムーズに、スピーディーに決まることが多いと判断していたことが理由です。今より規模がだいぶ小さかったですから。
ただ、今どんどんリーグもクラブも成長していますので(社長とGMを)分けて専任にしないといけないフェーズに来たとは昨季から感じていました。しかしB2時代、B1昇格する前から声をかけた選手もいましたし、どこで区切りをつけるかなと思っていたところでした。いずれにしても、兼任した時はその方が判断スピードが速いと思っていたのがその答えです。
―分担のメリットは。岡崎GMとどう連携していきますか。
浦 例えば、育成年代の関係者とこれまでより密に関係構築ができると思います。社長の私が兼務しているとその動きはどうしても鈍くなります。岡崎GMにいろんな育成年代の大会に顔を出してもらって、いい選手がいれば直接、監督とコミュニケーションをとるであるとか、そういうメリットがあります。あとは試合からの情報収集です。BリーグはB1からB3まであるわけですが、その試合を見て、より多くの選手の情報を手に入れることができるのも大きいです。一番大事なのは情報だと思っています。その情報を国内だけでなく国外もしっかり収集して、その上で精査していきたいと思います。
―GMを退任することについての思いは。
浦 新しくBリーグができて、新しいチャレンジといいますか…。JリーグであればGMに当たるのは強化部長で、フロントに社長がいるのが通例かと思いますが、新しい挑戦ととらえて、私が兼務することでどこまでクラブが成長できるか、と思いながらチャレンジさせていただきました。力不足なところもありました。B1に昇格するのに時間がかかりましたし、このような事態も起こしてしまったという責任も感じていますので、より一層地域に愛されるクラブになるための正しい判断だと思っています。次に向けて進んでいくしかないと思います。
―トレイラー選手逮捕を選手に伝えた時の反応は。
浦 ただただ、びっくりしていた印象です。急なことでしたので、それが率直な感想ではないかなと。
―再発防止策を策定されました。今回の事態の一番の原因は何だと思いますか。
浦 決まりごとというか、契約書の中身もそうなんですけども、個人の動きに対するルールだったり、教育のところだったり、その組み立てが甘かったのかなと。リーグの研修もしていますし、直接「日本ではこうだ」という話もしています。例えば、飲酒運転は非常に罪が重い点であるとか、ドラッグももちろんですが、そういう話を常にしています。しかし、その話をしている中でこういうことが起きてしまったということは、教育の仕組みとか、契約書の中身など、そもそもの組み立て自体を変えていかないと、防ぎにくい課題なのかなと思っています。
―身辺調査の部分で、「第三者機関」は具体的には…。
浦 民間に様々な調査機関がありますので、そこにコンタクトを取り始めたところです。もちろん代理人がついていて、その代理人も大丈夫かどうかを確認しますが、やはり身内ですから。外部からでないとわからないことがあるので、(そうした機関と)連携をとって調査していきたいと思います。
―損害賠償は個別に設定するのですか?
浦 Bリーグでは「統一契約書」という(共通の様式の)契約書があり、それとは別にクラブが独自の「附帯契約書」を交わしていますが、そちらに明記する形を想定しています。
―身辺調査は外国籍選手に限って行うのですか?
浦 日本人選手はある程度クラブでも調査できますが、外国籍選手はなかなか難しいです。第三者機関に依頼するのがベストだと思います。
―外国籍選手の補充は考えていますか?
浦 3月15日が登録期限なので、ギリギリまで粘っている状況です。岡崎GMと最終調整しているところですね。
―外国籍選手が一人いない状況で残りシーズンに臨む可能性もありますか?
浦 その可能性もあると思います。
―ファンの皆さん、スポンサー、岡崎さんの関わるユースの選手やスクール生などに対する今回の事態の説明は。
る今回の事態の説明は。
浦 そういったステークホルダーの皆様には、まず昨日(9日)、おととい(8日)でできる限り直接ご連絡をさせていただいて、メールも配信させていただきました。今日発表したこの再発防止策をもって、一件一件丁寧に説明して、言い訳抜きで「本当に申し訳ありませんでした」と申し上げて、信頼をまた一から積み上げる作業をコツコツとしていく他にないと思います。
(今回の事態で)本当に広島県民の皆様、応援いただいている皆様の信頼を損なう形になってしまいました。「せっかく応援していたのに」と。やはり、プロスポーツには多大な影響力があるので、いい影響も与えますが、こういうことになると悪い影響をすごく与えてしまいます。クラブ全体で今回の事態を真摯に受け止めて、日々信頼を得るためにコツコツと努力を重ねていくしかないと思います。
■質疑応答②岡崎修司新ゼネラルマネージャー
―GMを引き受ける決め手は。
岡崎 引退した時に浦社長から「長期的な視野で(トップチーム運営にかかわる)可能性について考えてほしい」と言われていました。今季に入ってになりますが、オーナーからも同じような声かけをいただきました。実際に(就任に)動いたのは直近になるのですが、「いつ(話が)来てもいいように」と準備はしていました。ただそれがこのタイミングになったことで、最初は少し迷う部分と、今のクラブ内の役職がありますので、そのあたりが整理できるのかという不安はありましたが、クラブにとってトップチームの環境というのは最も大事だと私も考えておりましたので(受諾しました)。
これから責任をもってやっていこうと思っております。
―アンバサダー、ユースコーチの方は。
岡崎 今季、残った活動については続けますが、そのあとはアンバサダーとしての活動は終える見通しです。GMとしての仕事に専念する形になります。ユースチームについてはU15カテゴリーの大会が今月末にありますので、これには帯同する予定です。そのあとは、速やかに後任を探して引き継ぐことになります。
―就任は本日(3月10日)付ですか。
岡崎 そうです。
―今のクラブの状況をどう受け止めていますか。
岡崎 先日の(選手逮捕の)事態で、地域の方々や応援してくださる方々、パートナー企業の方々に多大なるご迷惑をおかけし、お騒がせしてしまい、再発防止策に努めていく必要があると強く感じているところです。おそらく今の質問には、チームの順位のことも含まれると思いますが、今季については途中から入りますので、テコ入れできる部分は正直、限られているのが現状だと思います。
まずは選手・スタッフとコミュニケーションをとりながら、フロントやオーナーともコミュニケーションをとりながら、どういった選択をしていくべきなのかをしっかり判断していく時間に(今季残りを)していきたいと思います。単純にバスケットボールの面だけでなく、様々な要素がプロスポーツクラブ(としてのドラゴンフライズ)の運営に関わってきますので、そのあたりの情報を自分で整理して、ベストではないにせよ、よりベストに近い、いい選択をしていきたいと思います。
―「コミュニケーションの深化」はどのように?
岡崎 練習、試合などでコミュニケーションをとることはもちろん、今までは(浦が)社長業とGM業を兼ねていたが、時間は私の方が融通が効きますので(コミュニケーションの)量として、もちろん質も含めてですが、まずは量として増やせるかなと思っています。まずは、入れることころから入っていって、環境も含めて作っていきたいですね。
―トレイラー選手の件で、改めて感想を。
岡崎 聞いた時は驚きが一番でした。我々はプロスポーツクラブなので「地域に貢献する、地域の方々を元気にし、話題になって勇気づける」という意義のもとに存在しているのですが、そこから大きく反することになってしまい、同じクラブに属する者として申し訳ないと感じました。再発防止策を立ち上げましたが、これも時が経つにつれて修正し、よりよいものに改定していく必要があると思います。それも含めて(ステークホルダーとの)信頼関係は、じっくり積み上げていくものだと思いますので、その意識のもと活動していきたいと思います。
―今季の残り試合についてどう取り組みますか。
岡崎 クラブのモットーである「粘り強さ」を、チームでもテーマとしていますし、様々な場面、状況で使われていますが、最後まであきらめない姿勢を現場(チーム)は持ってくれようとしています。なのでその(チームの)声にこたえるためにも、外国籍選手の獲得に動いており、獲得期限である15日に向けて取り組んでいます。直近の課題はそれですが、情報をしっかり整理して、今後の意思決定をどのようにしていくかをしっかり考えたいですね。
―では、来季以降の長い目で見たビジョンは。
岡崎 繰り返しになりますが、クラブは粘り強さをテーマにしています。なので具体的には、ディフェンシブ(守備の強い)チームを作っていきたいと思います。見ている人が粘り強さを感じるのは、やはり守備をがんばって、勝つ姿だと思いますし、バスケットボールのセオリーとして、守備が強いチームは、間違いなく勝率が高く、チャンピオンシップ進出や優勝につながるというデータもあります。ただ、そこは私だけの決定ではありません。フロントやヘッドコーチの意向が重要ですので、コミュニケーションをとりながら戦略をまとめていきます。
そして、5年・10年単位の長期的ももちろん立てるのですが、まずクラブは最短でのB1優勝を目指しています。ドラゴンフライズはBリーグの中でも随一のスピードで成長していると思うので、クラブとしては選手を含めたトップチームの環境に対して投資すべき段階だと思います。そこを踏まえて、来季どういう選択をするのかを考えていきたいですね。
―地域のつながり、としてのクラブの在り方は。
岡崎 先ほども言いましたが、プロスポーツクラブが存在する意義というのは、地域の皆さんを支える、勇気づけること。反対に、このプロスポーツクラブが持続していくためには、地域の方々から支えられる、そんな関係性が重要だと考えています。当然、チームとして考えた時に、バスケの強さであり、試合に勝つ、という部分は当然として、バスケ以外の部分も大事です。コート外の発言、行動で世の中を動かす選手がクラブに多数在籍するチームにしたいという思いがあります。
2021-03-12
所属選手の薬物法令違反に関する再発防止策策定ならびに実施のお知らせ
広島ドラゴンフライズは、ジャマリ・トレイラー元選手が 3 月 8 日 ( 月 ) に大麻取締法違反(輸入)の容疑で逮捕されたことを受け、所属選手の薬物法令違反に関する再発防止策を以下の通り策定し、実施いたします。
■所属選手の薬物法令違反に関する再発防止策について
ゼネラルマネージャー(GM)による定期的な面談増などコミュニケーションの深化
これまでGMが社長を兼務しておりましたため、選手各個人とのコミュニケーションが不足していたことも今回の事案が発生した一因と判断し、今回の体制変更にともなって、専任となるGMが選手との面談を増やすなどコミュニケーションの深化を図ります。
現地での第三者機関による外国籍選手の身辺調査の実施
外国籍選手の契約には代理人を通して行うのが通例ですが、代理人及びエージェント会社以外の第三者機関による外国籍選手の身辺調査を実施いたします。
外国籍選手の出国前のドラッグテスト追加実施
現在も外国籍選手に関しては来日後にドラッグテストを行っておりますが、日本へ向けた出国の前にも二段階でドラッグテストを追加実施することといたします。
法令違反が発覚した際の損害賠償条項の追加
クラブが独自に、法令に関する違反が発覚した際の損害賠償条項を追加いたします。これにより、薬物関連を含む法令違反全般に対する意識の向上を具体的に促します。
法令遵守のための研修の実施
B.LEAGUE が実施している研修に追加して、クラブ独自に法令遵守のための研修を実施いたします。
クラブ独自の定期的ドラッグテスト並びに抜き打ちドラッグテストの実施
シーズン中に、B.LEAGUEの規定により実施している抜き打ちのアンチドーピングテストに加え、クラブ独自でも定期的並びに抜き打ちのドラッグテストを実施いたします。
2021-03-10
岡崎 修司 新ゼネラルマネージャー就任のお知らせ
広島ドラゴンフライズでは、岡崎 修司 氏との契約に合意し、新たにゼネラルマネージャーとして招聘いたしましたのでお知らせいたします。 この就任により、岡崎 修司氏は広島ドラゴンフライズU15コーチとの兼任になります。
■新ゼネラルマネージャー 岡崎 修司(おかざき・しゅうじ)
● 出身地 広島県広島市
●生年月日 1990年8月12日
● 身長 183cm
●体重 75kg
●経歴 戸坂中学校―皆実高校―広島大学
― 広島ドラゴンフライズ(2014-18)
― 広島ドラゴンフライズ アンバサダー(2018-)
―広島ドラゴンフライズ ゼネラルマネージャー(2021-)
―広島ドラゴンフライズ U15 アシスタントコーチ(2018-21)
※県立広島大学大学院経営管理研究科ビジネス・リーダーシップ専攻に在学中
●取得資格 薬剤師
スポーツファーマシスト
広島県糖尿病療養指導士
宅地建物取引士
●在任中の公職など 株式会社GRIT代表取締役
広島都市学園大学特任講師
広島県薬剤師会アンチドーピング活動推進員会委員
【岡崎 修司 GMコメント】
「この度、ゼネラルマネージャーに就任いたしました岡崎修司です。選手、チームスタッフの声を聞き、フロントとの懸け橋となるよう、活動してまいります。広島のため、広島ドラゴンフライズのために全力を尽くしてまいりたいと思います。力不足な部分もありますが私自身、良くも悪くもずっと広島におりましたので、この広島のバスケットボール、広島にかける思いというのは誰にも負けないと自負しており、この思いをクラブに還元していくため活動していきます。まずはクラブが目指すべきバスケットボールのスタイルを確立し、チームカルチャーを構築し、ファン、パートナー企業の方々、地域の方々に応援され、何かを感じていただけるチーム、皆様と一緒に戦えるチームを長期的に作っていきたいと思っております。引き続きご声援のほど、よろしくお願いいたします」
【浦 伸嘉 代表取締役社長 コメント】
「この度は、広島ドラゴンフライズの所属選手が逮捕されたことで非常に広島県民、ファン、パートナー企業の皆様、各ステークホルダーの方々、一所懸命新リーグを立ち上げたBリーグの関係者の方々へご迷惑とご心配をお掛けし、反省しております。この場で深くお詫び申し上げたいと思います。大変申し訳ございませんでした。
岡崎修司ゼネラルマネージャーは広島出身で(ドラゴンフライズで)プロ選手としてのキャリアを積みながら現役中に薬剤師の資格も取得し、引退後も活動が多岐にわたっており、真の文武両道といいますか、単純な元プロスポーツ選手だけではない部分が非常に価値の高い、貴重な存在だと思っています。なかなか日本ではゼネラルマネージャーは確立されていない役職ですが今、この時点で(岡崎氏が)経験していくことによって、5年後、10年後にドラゴンフライズがより一層強固なクラブになれると思い、声を掛けました。今後は私もサポートしていきますが、(岡崎氏が)専任である点を生かして分業し、最適化できると思います。より一層、力を発揮してもらい、いいクラブ、チームを運営してまいりたいと思います」
2021-03-10
浦伸嘉ゼネラルマネージャー退任のお知らせ
広島ドラゴンフライズは、2020-21シーズンの成績不振、ならびに#0 ジャマリ・トレイラー選手が3月8日(月)に大麻取締法違反(輸入)の容疑で逮捕されたことを受け、代表取締役社長兼ゼネラルマネージャー(以下、GM)の浦伸嘉がGMを退任いたしますのでお知らせいたします。浦は今後、代表取締役社長としての職務に専念いたします。
後任の新GMを含む新体制については3月10日(水)に発表いたします。
【代表取締役社長兼GM 浦 伸嘉 コメント】
「この度、今シーズンの成績不振、加えて昨日の選手逮捕の事態を重く受け止め、ゼネラルマネージャーを退任することにいたしました。代表取締役社長とGMを私ひとりが兼務していることがチーム運営体制の弱さにつながり、今回のような事態を引き起こしたと考えております。
今後はチーム運営体制、特にガバナンス(統治)の強化を図り、今回のような事態の再発を防止すべく専任のGMを置いて運営体制を再構築いたします。私自身は今後、代表取締役社長としての職務に専念し、その役割に徹してまいります。新体制については速やかに発表いたします」
■代表取締役社長兼GM 浦 伸嘉(うら・のぶよし)
● 出身地 広島県広島市
● 生年月日 1980年10月1日
● 経歴
株式会社広島ドラゴンフライズ代表取締役社長に就任(2016)
―広島ドラゴンフライズ ゼネラルマネージャーを兼務(2017)
2021-03-09
ジャマリ・トレイラー選手 契約解除のお知らせ
広島ドラゴンフライズは、#0 ジャマリ・トレイラー選手が 2021 年 3 月 8 日(月)に大麻取締法違反(輸入)の容疑で逮捕されたことを受け、3 月 8 日付でトレイラー選手との契約を解除いたしましたのでご報告いたします。
現在、罪状については調査中ですが、B.LEAGUE 選手統一契約書「第 1 号 誠実義務」に違反し、「第 9 条第 3 号 刑罰法規に抵触する行為を行なった」、「第 9条第 7 号 クラブの秩序風紀を著しく乱した」ことが確認されたため契約解除となりました。
クラブとしましては、本件の事案が発生してしまったことを厳粛に受け止め、捜査協力などの必要な対応を、適切に履行していく所存です。詳細が明らかになり次第、追って情報開示させていただきます。
【本件の事案発生について(時系列)】
2020 年 9 月 27 日(日)
警察によりジャマリ・トレイラー選手(以下、同選手)が米国から日本への大麻輸入の疑いを受ける。
2021 年 2 月 24 日(水)
警察による同選手の家宅捜索および、株式会社広島ドラゴンフライズ事務所捜索を受ける。
同日、同選手がかねてより負傷していた左膝蓋軟骨損傷ならびに左大腿骨滑車部骨軟骨骨折、左膝関節内遊離体(左大腿骨滑車部からの剥離)の治療・手術のため、入院。
2021 年 2 月 25 日(木)
同選手が左膝の手術を行う。
2021 年 3 月 8 日(月)
同選手が退院。
同日、同選手が大麻取締法違反(密輸)の容疑で逮捕。
【代表取締役社長兼 GM 浦 伸嘉 コメント】
「最初に、弊クラブ所属の選手からこのような社会的な規範から逸脱する事案を発生させてしまいましたこと、そしてそれにより広島ドラゴンフライズのファンの皆様、スポンサー、地元自治体行政の皆様など多くの関係者に対して、多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。3 月 8 日に大麻取締法違反の容疑で逮捕されたジャマリ・トレイラー選手の罪状については現在調査中ですが、B.LEAGUE 選手契約統一契約書の「第 1 条 誠実義務」の違反、ならびに「第 9 条第 3 号 刑罰法規に抵触する行為を行なった」、「第 9 条第 7 号 クラブの秩序風紀を著しく乱した」に抵触する事項が確認されたため、3 月 8 日付でトレイラー選手との選手契約は解除いたしました。 本事案に対して私自身も管理監督責任を重く受け止め、再発防止に徹底的に努める覚悟でございます。今後追って、再発防止策および、クラブ管理責任者として処分内容を改めて発表させていただきます。 また、今回の件に関しまして、プライバシー保護の観点や、本事案の捜査妨害になることを防ぐため、クラブとしての発表がこのタイミングになりましたことを、重ねてお詫び申し上げます」
■#0 Jamari Traylor(ジャマリ・トレイラー)
●出身地アメリカ合衆国(イリノイ州シカゴ市)
●生年月日1992年6月24日
●ポジションPF/C(パワーフォワード/センター)
●身長203cm
●体重104kg
●経歴カンザス大学(NCAA)
-Oberwart Gunners(オーストリア、2016-17)
-Kymis(ギリシャ、2017)
-広島ドラゴンフライズ(2018-)
2021-03-08
#34佐土原 遼選手 特別指定選手活動終了コメントについて
2月28日(日)をもって、B.LEAGUE 2020-21シーズン特別指定選手としての活動を終了いたしました佐土原 遼 選手のコメントをお届けします。
【佐土原遼 選手コメント】
「約2ヶ月間たくさんのご声援ありがとうございました。この期間でたくさんのことを学ぶことができ、稲吉オーナーをはじめ、浦社長、スタッフ、チームの方々に感謝しています。この経験を活かし、学生最後のシーズンを頑張りたいと思いますので引き続きご声援のほど、よろしくお願いたします。本当にありがとうございました」
【代表取締役社長 兼 GM 浦 伸嘉コメント】
「12月に合流してまもなく実力でプレータイムを得て、存在感を十分に発揮してくれました。新たにアウトサイドシュートを中心としたプレースタイルに挑戦しながら、外国籍選手に物怖じせず積極的にドライブでゴールを狙うプレーでチームに流れを引き寄せ,勢いを与えてくれました。その姿は多くのファンからも愛され、苦しいチーム状況の中で明るい話題を提供してくれました。
今回の経験を活かし、今後もさらに活躍してくれると期待しています。佐土原選手と東海大学バスケットボール部の皆さまのさらなる飛躍を心よりお祈り申し上げます」
佐土原遼 選手からのメッセージ動画はこちら!
2021-03-01
#0 ジャマリ・トレイラー選手 負傷のお知らせ
広島ドラゴンフライズは、#0 ジャマリ・トレイラー選手がかねてより負傷しておりました左脚について、左膝蓋軟骨損傷ならびに左大腿骨滑車部骨軟骨骨折、左膝関節内遊離体(左大腿骨滑車部からの剥離)と診断され、手術を行いますのでお知らせいたします。
これに伴ってトレイラー選手は当面の間入院いたしますため、2月27日(土)千葉戦以降はチームに帯同いたしません。
復帰時期に関しましては、医師及びトレーナーと協議のうえ決定いたします。
■ #0 ジャマリ・トレイラー Jamari Traylor
■診断名
左膝蓋軟骨損傷
左大腿骨滑車部骨軟骨骨折
左膝関節内遊離体(左大腿骨滑車部からの剥離)
■全治
未定
2021-02-25
#34佐土原 遼 選手特別指定選手としての活動終了のお知らせ
広島ドラゴンフライズでは、 #34 佐土原 遼選手のB.LEAGUE 2020-21シーズン特別指定選手としての活動期間が2月28日(日)をもって終了となることをお知らせいたします。
また、佐土原選手は2月27日(土)・28日(日)の千葉ジェッツ戦(広島グリーンアリーナ)までチームに帯同いたします。
■#34 佐土原 遼(さどはら・りょう)
● 出身地 神奈川県
● 生年月日 1999年10月24日
● ポジション SF/PF
● 身長 192cm
● 体重 97kg
● 出身校 寒川町立旭が丘中学校―東海大学付属相模高等学校 ― 東海大学(在学中)
● 経歴 第70回全日本大学バスケットボール選手権大会2018優勝
第72回全日本大学バスケットボール選手権大会2020優勝
第72回全日本大学バスケットボール選手権大会2020 優秀選手賞
2021-02-24
尺野将太新ヘッドコーチ 就任記者会見コメント
2021年2月22日に広島ドラゴンフライズ クラブオフィスにて尺野将太新ヘッドコーチの就任記者会見を実施いたしました。
■登壇者
浦 伸嘉(代表取締役社長兼GM)
尺野 将太(新ヘッドコーチ)
■株式会社広島ドラゴンフライズ 代表取締役社長兼GM 浦伸嘉より ごあいさつ
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
新体制として尺野将太新ヘッドコーチを迎えました。コロナ禍で閉塞感漂う中、なんとかバスケットボール、スポーツの力を最大限発揮して、ファンの方、広島県の方々、そして全国の方々にスポーツを通じて活気を、感動をお届けしたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
■尺野将太新ヘッドコーチより ごあいさつ
おはようございます。
この度、広島ドラゴンフライズの新ヘッドコーチに就任した尺野将太です。
シーズン途中の就任でなかなか厳しい状態の続いているチームにどれだけいい影響を与えられるか、手探りなところではあるのですが…。練習に何度か行きましたが、残りのシーズンをあきらめている選手は一人もいないですし、「来季に向けて」ということではなくて、「残り(シーズン)を本当に勝利に向けて、チームのためにがんばれるか」という雰囲気が残っていました。
厳しい状況に変わりはないですが、 チームの良さをどれだけ引き出せるか、広島らしさを取り戻せるかというところにチームとして挑戦していきたいと思います。
■ 浦社長兼GMより就任の経緯説明
時系列で申し上げますと、(2月10日の)琉球戦の後に、私と(稲吉正樹)オーナーとで、話しました。それまでも何度も話しているんですが、ここで「方向転換していかないと厳しい」と判断しました。その日のうちに尺野さんに連絡しました。「急な話だし、いろんなことを整理しながらで、難しい状況ではあるけれども、この状況を救ってくれるのは尺野さんしかいない」という話をさせてもらいました。その時点では「すぐ返事ができない」と答えをもらった状況の中で、(2月13日、14日の)新潟戦を迎えました。ただ、尺野さんに受けていただけるかどうかはどうあれ、新潟戦後は新体制でいくと決めていました。
火曜(16日)の夜、口頭で就任受諾の返事をいただいて、すぐにチームでミーティングをして伝え、翌日の水曜(17日)に合流してもらいました。法務上、契約には時間がかかりまして、金曜(19日)の夜に契約、土曜(20日)に発表という運びになりました。現状では、3度練習して、来週の千葉戦に備えている状況です。
なぜ(尺野さんに)声をかけたかというと、本人も先ほど言いましたが、一番には「広島らしさを取り戻したい」という理由です。前回(の退任後)に、B1、B2のクラブから声がかかったにも関わらず「ドラゴンフライズの育成で広島を支えたい」と言ってくれてクラブに残ってくれました。そこからいろいろ話をしながら、トップチームのことも外から見てくれていましたし、2シーズン前に一緒に戦った時も、一番粘り強さがあったんです。前半戦は「逆転の広島」を演出してくれ、最後まであきらめない粘り強さが際立っていました。後半戦はいろいろあってかみ合わなくなってしまったけど、粘り強さを表現できたシーズンではあったかなと思っていました。
今ここで(求めるのは)、成績もそうですけど、戦い方です。なかなか粘り強さを出しにくかったので。そういうことを考えたら、尺野さんにお願いするしかないし、尺野さんなら、厳しい状況は変わらないけどなんとか光が見えてくるのではないか、広島らしさを取り戻す何かをつかめるのではないかと、大いに期待して声をかけさせてもらいました。
早速、練習を2日ほど見ましたけど、ガラッと雰囲気も変わりましたし、選手たちも心機一転という形で意欲的に取り組んでくれています。結果(を出すの)は難しいかもしれないけど、(結果に至る)プロセスについては最善を尽くして、残り23試合でなんとか広島らしさを取り戻したいと思い、決断させてもらいました。
■質疑応答①代表取締役社長兼GM 浦伸嘉
―尺野ヘッドコーチの契約期間は。
浦 基本的には、残りのシーズンだけで判断するという話ではなくて、来季も含めて「1.5年」という形での契約にしています。ただ本人はそれよりも目の前のことに集中するつもりで一生懸命やってくれています。今後は、 本人の意向もあることですし、 今シーズン後にまた話し合うと思います。ただ現時点では「来季も含めた今季で」と話をしています。
―「尺野さんしかない」という話が出ましたが、尺野ヘッドコーチのバスケットボールとはどのようなものなのでしょう。
浦 すごく(チームを)客観的に見てくれていたんですね。いろいろな角度で。どうしても(チームの)中にいると、自分たちの良さや悪さに気づきにくいんです。それでまた結果がでないと、本当に(やっているバスケが)正しいのかどうかも、我々自身では気づきにくくなる。(尺野さんは)外から見てもらう中で、いろいろな角度からの分析や特徴、長所と短所をポイントを突いて見抜いてくれていた。そういう部分が今最も重要な視点なので、チャレンジしながらいい形にしてくれると思います。
―具体的に、プレーの面ではどのような期待をしていますか。
浦 我々の強みはグレゴリー・エチェニケ選手のインサイド。ただ、今はそれを相手に上手く抑えられています。彼を生かしながらアウトサイドの組み合わせがはまるとスリーポイントももっと決まるし、(課題の)ターンオーバーも改善されていくのではと思います。リバウンドを獲れていないという課題もありますが、まず長所を引き延ばして短所をどう打ち消すかだと思います。
―今後の戦力補強については。
浦 新外国籍選手の契約を結んではいるのですが、前提が日本に入国できることなので(新型コロナウイルス感染の影響で)、日本に入国できない状況が続いており、 発表には至れていません。 3月15日のBリーグ最終登録日からもろもろの手続きを考えて逆算すると、本当にここ数日で入国制限が解除されないと難しいと思います。ただ、ここまで解除されていない状況なので、現実的には難しいと思います。国内のクラブからのレンタル移籍など、ありとあらゆる手段の情報は収集しますが、現状で決まっているものはないです。
―前回尺野さんは1シーズンで退任されました。そこから1年半。GMとして見る中で、尺野さんが前回と違うものを出せるという部分があるのですね?
浦 そうですね。現に練習を見ても、すごいスピードで指導者として成長していると思います。選手のコミュニケーションにしても、気を遣って話しているなと。戦術・戦略の部分は今も昔もプロフェッショナルなのですが、そこにプラスしてユースでの経験がさらに彼のコーチングの基盤を大きくしているなと思います。試合中継の解説もしてもらっていましたが、それを聞いても様々な角度からの視野、示唆があります。もちろん、2シーズン前に悔しい思いをしましたが、そこから本人がやってきたことを知っています。今このタイミングでこの状況を託すのは尺野さんしかいないと思ったので、楽しみですね。
■質疑応答②尺野将太新ヘッドコーチ
―まず、就任の打診を受けた時の心境を教えてください。
尺野 (聞いた)最初は、断りました。ユースのヘッドコーチに就任したときに話したんですが、地元・広島の育成環境をよくすることが自分の一番のやりがいを感じているところです。今はまさにそのど真ん中で活動している中でしたし、(並行して)個人でやっている事業もありまして、始めて半年くらいで軌道に乗ってきたところでした。生きる上で、仕事をする上で一番やりがいを感じるところに直接的に関われていた時期だったので、「やりたい、やりたくない」というところではなくて、お話をもらった時点では自分のモチベーションはそこ(トップチーム)ではないところにありました。
―それだけやりがいを感じていたところから離れ、就任を決意するまでの過程は。
尺野 まずはユースのところが一番のやりがいで、3月末に(U15の)Bリーグの大会があるので、そこに向けてと思っていました。昨年から今年はコロナ禍のため、ユースの活動はもちろん、バスケットボールそのものをすることが難しい年でした。なので残り1か月、3年生は高校に送り出し、下級生はまた来年に向けて、と。そこをやり切りたかったですね。
ただ、(HC就任の)話をもらっていろいろ考える中で、地元・広島の育成環境向上に力を注ぎたいと思う中で、それにはユースの活動の質を上げる、関わる指導者の質をよくするとか、いろんな条件があるのですが「広島県のバスケットボール」といえばピラミッドのトップにいるのはドラゴンフライズのトップチームなんです。そのドラゴンフライズが苦しい状況にある。そのピラミッドから降りていくと、ドラゴンフライズの試合を見てバスケを始める子どもだったり、勇気づけられる子どもだったり、というところまで考えた時に、将来的な育成環境のことを考えたら、トップチームの現状に少しでも自分の力を貸して、トップチームがよくなることで育成環境が良くなるのであれば、それは直接的な形ではないですけど、育成環境をよくすることにつながるのではないかなと思いました。
ただ、本当に B1で苦しい戦いが続いている中で「自分が就任したら変わる」とか、「チームが良くなる」という力が僕にあるとはまだ思っていません。ただ、浦社長からお話しをいただいて、必要とされている状況の中で、まだ僕に何ができるかよくわからないですけど、自分の持っているもので全力を尽くせば、もしかしたらチームがよくなる可能性があるのかなと考えた時に、将来的にも育成の場にいい影響が及ぶかもしれないとも思いました。
(いま指導している)目の前のユースの子どもたち、スクールの子どもたちにはすごく申し訳ないんですけど、そう考えて引き受けることにしました。
―葛藤の中での決断だったのですね。今季のドラゴンフライズをどう見ていますか。
尺野 私は本当に外から見ていただけで、メディアの皆さんと同じ立ち位置か、もしかするとメディアの皆さんのほうがより見ていらっしゃるかもしれません。昨季B2(西地区)で優勝して、今季はチャレンジするところまで来たのは堀田(剛司)前ヘッドコーチの功績で、ドラゴンフライズをB1の世界に連れてきてくれたのも堀田さんの力です。 練習に行ったこともなく、選手と話したこともなく、雰囲気や様子がわからないまま、ただただ試合を見た感想からいえば、 B1の1年目はどのクラブも苦しむものだと思いますし、 どうしても苦しいシーズンになることは間違いないと思っていました。 昇格した1年目で残留したクラブは少ないですから。秋田は残りましたが、島根や西宮は降格しています。それは、(力のある)メンバーがいる、いないは関係なく、B1という舞台の経験がないからです。
加えて、僕が横浜を指揮していた時と比べても、B1は入ってくる外国籍選手のレベルや、ポイントガードのスピード、守備のプレッシャーの強度がかなり上がっています。リーグ自体が成長している中に(ドラゴンフライズが)飛び込んでいるので「どれだけ挑戦できるかな」と最初思っていました。三遠戦でしたか、ぎりぎりまでリードしながら最後に負けたり、接戦を落とす試合を見ると「何か一つきっかけがあれば、勝ち切れば、上位は難しいながらも他クラブと戦える力はある」とみていました。ただメンバーの怪我ですとか、内部事情を知らないままただ見ていただけなので、もう少しうまくやれば…勝てるかどうかは別として、もっともっと勝負できるんじゃないか、と思いながら見ていました。
―現状は西地区最下位です。ここからどんなプランとビジョンで立て直しますか?
尺野 まずは現状をしっかり認めることですね。「本当はこうだった」とか「もっとやれる」っていうのは選手の中にあると思うんですけど、それでも勝てていない現状がありますので。周りから見ると「来季に向けて」とか「降格はないんだから」というシーズンとして見られていると思うけど、そんな戦いをしたら、そもそも来季につながらないと思います。「来季に向けて」の前に、そもそも今季を戦い切る、勝利を目指して戦い切る。勝ちを目指す、というところからまずは始めたいと思っています。それが来季につながると思うので。
3度練習に行く中で、下を向いた選手がいなかったことが救いでした。今持っているものを、僕も選手もスタッフも100%ぶつけて、それでも勝てるかどうかわからないシーズンだと思います。そもそも自分たちが(力の)100%を出せない状況なのであれば戦えないのかと思っていましたが、そういう状況ではなかったので、残り試合もまずしっかり戦い切ることができると思っています。
その中で、具体的な戦術であったり攻め方、守り方いろいろあると思うんです。多分(僕に)期待されているのは大きな変化だと思いますが、ただ大きな変化をする前に、自分たちの現状を認識しないといけないと思います。今どんな状況になっていて、自分たちの強みはどこで、今どんなプレーでやられているのか、というところをしっかり把握しながら、何を変えればいいのか、何に挑戦したらいいのかを探りながら、いろいろ試してみています。ですので、今は戦術的に劇的な変化は加えていなくて、今あるものの中で、より選手の力を生かせる方法を探っているところです。
―先ほど浦社長からあった「粘り強さ」を取り戻すためには。
尺野 粘り強さというのは、やはり守備が表現するところだと思うのですが、僕が求めている守備を24秒間だったり、40分間だったりで遂行しきれるか、徹底してできるかどうかだと思います。それが表れるのはルーズボールであったり、リバウンドです。今はジャマリ・トレイラー選手がけがをしているのでリバウンドで圧倒的に不利なのは明らかですが、そこでいかにチームとして戦えるか。高さで劣って圧倒的に不利な状況で(残り)23試合続くこともありえる。そこをチームとしてあきらめずに(リバウンドを)獲りに行けるかどうか。そこだと思います。
―尺野ヘッドコーチの思う、キーマンは。
尺野 単純に言えば、エチェニケ選手がインサイドで大黒柱としてプレーできるかどうかだと思いますし、そこの得点が伸びていくかどうかだと思います。ただB1では、一人がいいだけでは勝てないです。もし僕がドラゴンフライズの対戦相手のヘッドコーチだとすれば、まずエチェニケ選手を抑えて、次に当たりそうなシューターを抑える。ほかの選手にはいくらかやられるだろうけど、メインの選手にやられなければいい、と考えます。今ならそれに該当するのはエチェニケ選手、(トーマス・)ケネディ選手、朝山(正悟)選手だと思いますので、その次が大事だと思います。現状は日替わりでもいいと思っていますが、個人的には田中(成也)選手に期待したいです。前半はB1でのスリーポイントシュートに苦戦していて、うまくいっていないシーズンが続いていましたが、ここ数試合で復調の兆しが見えていますし、もともと守備では脚力もあり、運動量も出せる選手なので、朝山・ケネディの次、まずは次でいいと思うんですが、彼らを超える力も持っていると思うので、残り23試合でまずは田中選手らしさを取り戻してもらって、シュートの部分でチームの力になってくれたらいいなと思います。
―横浜ではシーズン途中から就任し、B1残留に導いた経験もあります。
尺野 今回は、その時の状況とは全く違います。横浜の時はアシスタントコーチからの内部昇格だったのに対して、今回はクラブの組織内にはいましたけどトップチームと全くかかわっていないので。チームとしては、外部から来たのとほぼ同じ形です。前回一緒にやっていた選手もいるし、田渡(凌)選手とは横浜で一緒にやっていましたが、全くチームを知らない外の人がチームを見るのとあまり変わらない状況ですので、(横浜の時に途中就任した時とは)様子が違うところですね。
なので、選手とコミュニケーション取るのもすごく大事になると思います。僕が前回ヘッドコーチを務めた時と違ってアシスタントコーチにも田方(慎哉)さんという優秀な人材がいたり、分析専任のアナリストもいます。なので、任せるところは任せて、僕自身は自分たちのチームが何をするか把握しながら進めていけたらいいなと思います。トレーナー、マネージャーは当時一緒にやっていたスタッフがいるので、しっかりコミュニケーションをとって選手たちのコンディションの様子を聞きながらやっていきたいと思います。
「外から入る新しい人」という立場だからこそ、なかなか難しいところはあります。ただ、今はその新しさが選手たちにとっては、リフレッシュというわけではないでしょうけど「気持ち新たにがんばろう」というところにはつながっていると思います。しかしこれは一時的な効果なので、この状態を残り23試合で続けていけるか、というところが大事かと思います。
―初陣は千葉戦です。
尺野 クラブ初のグリーンアリーナ開催であることが大きいですね。世界選手権やウィンターカップの本戦も行われた場所で、広島ではバスケといえばグリーンアリーナ。そういう場所で試合ができるのは光栄です。多くの方に見てもらえるチャンスがあると思いますので、まずはそこで、どこまでできるかわかりませんが「広島らしくやってくれたな」と思ってもらえるように戦いたいですね。もちろんそれは、それぞれに違いますし、受け取り方もそれぞれなんですけれども。
相手の千葉については、大野(篤史)ヘッドコーチやシャノン・ショーター選手は元ドラゴンフライズ。そういった部分でも楽しんでいただけると思います。結果については、現時点では(広島と)力の差のあるチームなので、なかなか「勝ちます!」とは言い切れませんが、強豪相手だからこそできる色んなチャレンジもあります。広島らしさを取り戻せるようにチャレンジしながら40分間戦える試合にしたいですね。
―具体的に何勝したい、など目標はありますか。
まず(直近の)千葉戦は、個人的には横浜時代にやられていることもあって、まず結果より内容かなと思っていますが、その後は琉球や三河など同地区の対戦がある中で、まずは残り試合で今を超える6勝を挙げたい。あとはどれだけ積み重ねられるか。ただ、星勘定をしても仕方ないので、一つひとつを全力を尽くす中で「勝った、負けた」になる中で、プラスアルファを積み重ねていきたいですね。
―前回1シーズンで交代し、悔しい思いをしたかと思います。今回、その悔しさを晴らしたい思いが原動力になっている部分はありますか。
尺野 ないです。僕の個人的な感情を晴らす場でもないと思いますし、僕がチャレンジする場でもないと思います。残りはチームがどれだけチャレンジできるかというシーズンだと思うので。僕の気持ちの部分からいえば、先ほどのユースへの気持ちがあるので「やりたくない」から始まってしまいますから。そうではなくて、「何が求められていて、何が必要なのか」を考えて、そこから「何をしないといけないのか」を考えていきたいと思います。
―前回、退任してからご自身で積み上げられたものは。
尺野 あれからトップ(カテゴリー)の指導はしていないですが、セミナーのような機会には参加してきましたし、試合は常に見てきています。ただ、先ほど言った通り、この1年半は堀田前ヘッドコーチが築いてきたものがあるので、スタイルだったりチームの文化があります。それはそれで、広島がつないできた伝統なので、ゼロにするのは難しいです。プレシーズンの準備期間があれば話は別ですが、シーズン中のことなので、いい部分は継承し、レベルを上げていく部分は一気に高められたらと思います。
―外からドラゴンフライズを見てきて、絶対にここは改善しないといけないという技術的な部分はありますか。
尺野 トランジション(切り替え)の部分ですね。攻撃から守備、守備から攻撃の切り替えです。先ほど守備の話をしましたが、そもそも速攻で走られるのは、攻撃の終わり方が悪いから。守備を強化したいけど、そのために攻撃をちゃんとしないといけない。僕としては守備の練習をしているつもりだけど、結果として攻撃の練習ばかりしています。
守備の入り口である攻撃の終わり方を整えることで、(後半戦から)取り組んでいるアグレッシブな守備もやりやすくなります。ドラゴンフライズには攻撃力のある選手が多いので、こちらの守備時にしっかり相手に責められて、(オフェンス)リバウンドを取られて(また攻められる)という部分を改善したいです。だからこちらがディフェンスリバウンドを獲る部分、守備の終わり方を意識しながら改善しようとしています。時間のかかる難しいところではありますし、すぐに目に見えた結果につながるかというと難しい。でも残りシーズンを戦うという意味では一番そこが大事かと思うので、トランジションのところを強調したいと思います。
―今の部分と重複するかもしれませんが、尺野ヘッドコーチのやりたいこと、変えたいところがあれば。
尺野 うーん…。条件が限られますからね。外国籍選手は入国できていない状況ですし。選手の選考から考えられるのであれば、僕のやりたいことを追求するのもいいと思いますが、今の状況はそうではないです。今ある力を最大限生かす、強みを生かし切ることが(ここからの)勝負では大事です。先ほどお話ししたトランジションの部分は弱いところで、試合に負けているのは弱いところが出るからです。勝つにはチームの強みを生かすところが大事、そこを確認したいですね。ドラゴンフライズの強みはエチェニケ選手のインサイド。そこは選手もみんなわかっているんですけど、「どうやって」という具体的な解決策を示してあげれば、B1に昇格したキャリアを持つ選手たちなので。それぞれの力を生かしながらチームの強みを生かし切るプレーができればいいと思います。
―前回退任時は「チームをまとめきれなかった」という言葉を残されています。その経験を踏まえて、当時と違う部分、ご自身が成長した部分はありますか。
尺野 僕がですか…。なんでしょうね(笑)。自分のことなのでよくわからないんですが、チームの状況を比べると、当時はいろいろ自分ひとりでやらないといけないと思っていました。スカウティングも一人でやっていましたし、一人で背負いこみすぎて、コミュニケーションをとる時間が無くなったりしていました。
今は、スタッフ陣が以前よりも充実していて、任せられるところは任せられますし、細かいところはスタッフに任せて、僕はもっと大きな局面をしっかり見ながら、チームに関われる体制が整っています。ヘッドコーチとしてやるべき仕事、広島が一番必要とする、チームをまとめる部分に力を注げるかなという思いがあります。そういう意味では、僕がどう変わったかは分からないですけど、環境的にはそういうものが整ってきているかなと思っています。
2021-02-23